私の書評

「走ることについて語るときに、僕の語ること」を読んで。

「走ることについて 語るときに 僕の語ること」 村上 春樹著 何故、この本を読もうと思ったのか?うまく思い出せない。 著者が、かなりの 走ることが好きな作家であることを知り、その走る理由について、語っている書物があること、その本が多くのランナーた…

「絶歌」を読み終えて

本年6月末、神戸の連続児童殺傷事件を起こした、(当時少年の)Aが書いた本が発行された。 この本は、作者自身が犯人であるという意味では、今までも永山則夫等の著作と同じ動機で書かれたものであり、何が書かれているか?読まないと分からない、犯人でし…

流転の子 本岡典子著をよんで

8月24日のブログ記事で紹介した、本の題名は、「最後の皇女・愛新覚羅嫮生」流転の子 という題が付いていました。 最後のエピローグまで含めると445ページにわたる力作です。この本は20年以上、の月日をかけて温められ、取材をし、実際に生き証人か…

「心病む母が残してくれたもの」を読んで

この本は、職場のスタッフが「一度読んでみたら良いよ。とっても面白いので、あっという間に読めるよ」と言ってくれたのを受けて、読み始めました。・・・「精神科医の回復への道のり」 とあるから、きっと自分の人生を振り返って書かれたものなのだと推測し…

「いのちの食べかた」 森達也著を読んで思うこと。

読書感想 いのちの食べかた 森達也 (株)理論社 ヤングアダルト向け この本は、中学生以上の大人向けに作られた出版物ですが、全ての漢字にルビが振られており、たとえひらがなだけが読める人でも本の内容を知ることが出来るように作られている。 専門的な…

"異文化としての老い”を考える。

久しぶりに、三好春樹の本を読む機会を得た。 講談社から出ている、「介護の大誤解」というタイトルですが、さすがに三好さんらしい発想の本です。介護の大誤解! (介護ライブラリー)作者: 三好春樹出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/09/26メディア: 単行本…

「悼む人」天童荒太を読んで感じたこと。

小説を読む前に、何故この本を読もうと思ったのか?考えてみた。 直木賞を受賞したことだけでなく、NHKの番組で紹介されたことだけでも無かろう。作者の天童荒太という人柄に興味を持ったというのが一番的確のような気がする。受賞の時に、気の利いた謎か…

「私に帰る旅」岡部明美著を読んで。

最近岡部さんの著作を読む機会があった。彼女は脳腫瘍・水頭症の病を経験し、現在はワークショップ・トレーナーとしてカウンセリング・文筆活動など全国各地で活躍されている。 http://anatase.net/ いわゆる西洋医学につきものの病気を敵にしてメスで癌を切…

「僕が見てきた戦争と平和」長倉洋海著を読みましたか?

http://www.h-nagakura.net/book.html 9月の20日、大阪にて長倉さんのトーク集会がありました。嫁さんに勧められて参加しましたが、飾らない人柄と、次から次へと出てくる体験談の広さに驚きました。彼は現在自称写真家ですが、かってはフォトジャーナリ…

じいさんばあさんの愛し方

老人介護 じいさん・ばあさんの愛しかた (新潮文庫)作者: 三好春樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/11/28メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 80回この商品を含むブログ (12件) を見るこの本は、介護保険が出来る以前、H10年ごろ出版されたが、昨年再…

「アルツハイマーを知るために」著者・佐藤早苗

発行所・新潮社 新潮文庫 発行日・2007年3月1日 *この本は医療専門家が書いているのではなく、この病気に罹った父親を介護した家族の一員として今後この病気と遭遇するであろう人々に向けて書かれた本です。 アルツハイマーは一旦罹ってしまうと、決…

笑う介護 松本ぷりっつ:岡崎杏里

マイナス面だけが幅を利かせてくる。介護は一般的に汚れ、臭い、暗い、辛いものだと不安が付きまとう。・・・しかし、実際に自分が介護をめぐる当事者になると、冷静な考えが影を失せて客観的な思考力が影を失せてしまうものです。こうした経験から、人は介…

博士の愛した数式 (著者:小川洋子)

書籍名: 博士の愛した数式 著者名: 小川 洋子 発行年: (西暦) 2003 出版者: 新潮社 値段: 1000-1500円 投稿日時: 2007/07/21 12:09 本のサイズ: A6版 感想私は、多くの人がそうであるように、数学と聞くだけでも拒否感が出てしまう部類の人間です。…

ヘルプマン第8巻 (著者:くさか里樹)

書籍名: help manヘルプマン8巻 カテゴリー: その他 著者名: くさか里樹 発行年: (西暦) 2006 出版者: 講談社 値段: 500-600円 投稿日時: 2007/06/04 00:24 本のサイズ: A6版 感想 感動度 実用度 娯楽度 ファッション度 難易度 ☆☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆ …

ヘルプマン 第1巻  (著者:くさか里樹 )

書籍名: ヘルプマン カテゴリー その他 著者名: くさか里樹 発行年: (西暦) 2004 出版者: (株)講談社 値段: 500-600円 投稿日時: 2007/04/10 22:44 本のサイズ: A6版 感想 感動度 実用度 娯楽度 ファッション度 難易度 ☆☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆…

ウェブ人間論 (著者:梅田望夫・平野啓一郎)

書籍名: ウェブ人間論 カテゴリー: その他 著者名: 梅田望夫・平野啓一郎 発行年: (西暦) 2006 出版者: 新潮新書 値段: 600-800円 投稿日時: 2007/01/07 10:00 本のサイズ: A5版 感想 感動度 実用度 娯楽度 ファッション度 難易度 ☆☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆☆ ☆…

ヤンキー母校に生きる   (著者:義家弘介 )

書籍名: ヤンキー母校に生きる カテゴリー: 評論・エッセイ 著者名: 義家弘介 発行年: (西暦) 2003 出版者: 文芸春秋 値段: 1000-1500円 投稿日時: 2006/12/03 10:27 感動度 実用度 娯楽度 ファッション度 難易度 ☆☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆ ☆☆☆ 感想 この本…

大逆転の痴呆ケア  (和田行男 著)

書籍名: 大逆転の痴呆ケア カテゴリー: 評論・エッセイ 著者名: 和田行男 発行年: (西暦) 2003 出版者: 中央法規出版株式会社 値段 : 1500-2000円 投稿日時: 2006/11/26 21:57 感動度 実用度 娯楽度 ファッション度 難易度 ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆☆ ☆☆ ☆☆☆ 感…

男と女の老いかた講座

書籍名: 男と女の老いかた講座 カテゴリー: 評論・エッセイ 著者名: 三好春樹 発行年: (西暦) 2001 出版者: ビジネス社 値段: 1000-1500円 投稿日時: 2006/11/11 11:06 本のサイズ: B6版 この本は、「介護の社会化」に物申す主張がちりばめられて…

五対不満足

書籍名: 五対不満足 著者名: 乙武洋匡 発行年: (西暦) 1998 出版者: 講談社 値段: 1500-2000円 投稿日時: 2005/08/08 14:53 本のサイズ A6版 乙武さんは、昭和51年生まれです。この本を書かれた時は,未だ早稲田の学生さんでした。既に本を出版さ…

痴呆を生きると言うこと

書籍名: 痴呆を生きると言うこと カテゴリー: 評論・エッセイ 著者名: 小澤 勲 発行年: (西暦) 2003 出版者: 岩波新書 値段: 600-800円 投稿日時: 2005/12/21 22:20 本のサイズ A5版 小澤勲さんの「痴呆を生きるということ」を読んで2003年7月に第一…

がんばらない

書籍名 :がんばらない カテゴリー :評論・エッセイ 著者名 : 鎌田実 発行年 :(西暦) 2000 出版者 : 集英社 値段 : 1500-2000円 投稿日時 : 2006/01/11 23:09 本のサイズ: A5版 作者が、当初青年医師として赴任した病院は、『累積赤字4億円、何時つぶれて…

私の幸福論

書籍名: 私の幸福論 カテゴリー: 評論・エッセイ 著者名: 日野原重明 発行年: (西暦) 2005 出版者: 大和書房 値段: 1000-1500円 投稿日時: 2006/01/17 22:41 本のサイズ: B6版 老いて益々盛んなり。日野原さんに対しては、畏敬の念を誰しも上げた…

老いる準備

書籍名 :老いる準備 著者名 :上野千鶴子 発行年 :(西暦) 2005 出版者 : 学陽書房 『色々頑張って仕事や自分の遣りたいことを続けてきて、ふと立ち止まるってことがあるんじゃないの?』そう問いかける、作者自身も、50の坂を超えた団塊の世代である…

介護入門

書籍名: 介護入門 カテゴリー :評論・エッセイ 著者名 : モブ・ノリオ 発行年: (西暦) 2004 出版者 : 文芸春秋社 この本は、題名を見て買いました。第131回の芥川賞を受賞しているけれど、今までその事を知りませんでした。正直、読み始めてなかな…

一人から始める老人ケア  

書籍名 :一人から始める老人ケア カテゴリー: 評論・エッセイ 著者名 :ブリコラージュ編集部 発行年:(西暦) 2003 出版者 :雲母書房 この本は、生活とリハビリ研究所が発行主体となっている。勿論、之は三好春樹氏が主宰する介護の学習組織であり、そ…

介護の専門性とは何か

書籍名 :介護の専門性とは何か カテゴリー :評論・エッセイ 著者名 :三好春樹 発行年 :(西暦) 2005 出版者 :雲母書房 著者は、介護の専門性と言うものが、「生活の活性化」にあると主張する。元々生き生きとしているはずの生活が、本来の生き生きさを…

だから、あなたも生きぬいて  

著作名: だから、あなたも生きぬいて カテゴリー: 評論・エッセイ 著者名 :大平 光代 発行年:(西暦) 2000 出版者 :株式会社講談社 かって、「虐め」の渦に蹴落とされて、死を選んだ少女が、その後極道のどん底まで経験した。・・・普通なら、そこから…

覚悟

著者:戦場ジャーナリスト橋田信介著作名:覚悟出版:中央公論新書2004年5月27日、夫の橋田信介は甥の小川功太郎と共にバクダット郊外で襲撃され、死亡した。・・・後の調査により米軍の軍事スタッフと間違われて銃撃されたことが判った。橋田さんが…

ある回想録を読んで。

私の担当する利用者さんの、”回想録”を先日読む機会があり、戦中・戦後のどさくさで、言葉には言い尽くせない体験を経験されてきたことを知る機会がありました。 この"回想録"には沢山の個人情報もそのまま載っており、元々肉親の方々や、戦争中の知人に読ん…