遣られていた、香田さん家族の祈り無なし・・・{/hiyoko_thunder/}



イラク拉致事件で、悲しい結末が報道された。

行方不明のままで、その安否が懸念されていた、香田証生さん24歳が、31日付にて、他殺体で発見され、指紋照合により本人であることが判ったとのニュースが入ってきた。



最悪の結果であり、無事を信じて息子の開放を訴えられていた両親始め、幸田さんを守ろうと働き掛けていた人々には痛烈な悲しみがもたらされる事となってしまった。

なぜ、幸田さんを救うことが出来なかったのか?幸田さんは、何か悪いことをしたのか?彼の無防備な行動を非難するのは容易いが、もう一度、今回の事件の真相を考えてほしい!イラクという、戦闘地域に、無防備で旅するということは、確かに、普通の感覚では信じられないことではあるが、だからといって、幸田さんが、現地の人々に悪事を働いたわけでもなく、政治的な運動を遣ろうとしたのでもないのです。・・・ただ、純粋に、旅をしたいという行動が、死に値するような事なのか?



幸田さんを拉致したグループは、日本に政府に対して、政治的な要求を突きつけました。

幸田さんを盾にとって、自衛隊の撤退を要求する、その遣り方には、”卑劣な人質作戦”として、怒りを感じるし、許すことの出来ない犯罪であり、この責任は必ず後々には犯人に取らせる必要があると考えますが、・・・ただ、現地は、戦争状態であるということを認識する必要があります。戦闘行為の中では、国際法など在ってないようなものです。とにかく、戦いに勝利した側が、絶対的に正しいとされ、負けた方は言いなりになるしかないのです.その意味では、今回の拉致と、日本政府の対応は、取引を断った日本政府のあり方を検証する必要があります。



一方的に、拉致グループが悪い、という事だけではなく、日本政府も、国民の生命を見捨ててまで、イラク自衛隊存続を続ける意味をもう一度問い直す必要があると思います。

この先、拉致や、テロは、ますます激化し、日本国内でも、今回と同じような要求が突きつけられる可能性があるのです。今度は、何十人、何百人の人質がとられるか、判りません。・・・そんな事態になっても、イラクへの派兵を継続すると言うのですか?



・・・確かに、意見が飛躍しているかもしれないけれど、あの、スペインの外交政策変更(軍隊の、イラクからの撤退を決意させたのは、)スペインでの、列車テロで、多くの犠牲が出たことが引き金になったことは記憶に新しいはずです。・・・スペインと同じ事態に、日本がならないという保障は、ますます少なくなり、事態は深刻になりつつあると、判断できると思います。



小泉さんは、”テロに屈しない”と息巻き、アメリカと一緒にイラクへの派兵を続けるつもりだろうけれども、これは、まかり間違えれば、ブッシュの外交軍事政策への追随となり、ブッシュと一緒に、日本の安全を壊してしまいかねないことになる・・・そう懸念するのは、私一人ではなく、多くの日本の世論でも叫ばれていることです。



もし、日本の政府が、自立した外交政策を選択して、イラクでの自衛隊の派遣をやめ、純粋に経済復興のための、また、社会復興のための支援政策に変更してゆくとすれば、きっと、拉致事件の危険性は、防止できると考えます。こういった、まともな意見が、なぜ、国会等で論議されず、ただ、”向こう見ずな”青年の行為だけが非難の的となり、拉致に対して見殺しにする結果となったのかを、もう一度検証してほしいと思います。



かって、3人の日本人青年たちが拉致され、いろんな経緯はあったが、現地の宗教組織を通じて、現地の救出作戦が展開され、開放されたということを思い出します。高遠さんや、他の若者が、決してイラクの人たちと敵対する活動をしているのではない事が明らかとなったとき、宗教指導者の呼びかけが功を奏して、救出を成功することが出来たのです。



このときも、マスコミ始め、心許無い人々は、三人の行動を避難する動きがありました。

多くの費用をかけて、救出してその費用は税金で拠出したのだ、”本人に払わせよ!”こう主張する人々もいました。



しかし、これは、大きな間違いであり、危険な主張であると思います。



3人のそれぞれの意思は、イラクでの悲惨な状態にある人々、取り分け、劣化ウラン弾による後遺症に苦しむ人々の調査と、救済のために活動したり、親や肉親を戦争で無くした孤児たちの保護活動に取り組んだり、イラクの住民の悲惨な現地の情報を写真で取り世界に発信しよう・・・と出かけたり・・・そんな活動をしている若者が、政府としての救出作戦に値しないとするなら、果たして、政府は誰を守るものなのでしょうか?政治的な意見、社会的な立場、そんなものを超えた、全国民的な立場から考えて、どんな国民も、その生命と財産、生活を守る義務がある筈です。

ましたや、自分の身の危険を覚悟して現地での活動を展開する民間の運動を政府が見殺しにするのなら、そんな政府はあまりにもセクト主義・主義主張に捉われた頭の固い官僚といわねばなりません。



今回、幸田さんの犠牲、という自体を受けて、今後の、日本の海外援助のあり方、貢献の仕方を大いに論議してゆく必要があると考えます。



私は、この際、日本に、軍事機能なき援助を求めます。

一切の、戦争と切り離された、民間レベル、または政府レベルでの援助こそ、今後の国際関係を平和に築き上げるキーワードであると思うのです。

戦いの武器を捨てて、復興のブルトーザーと機械を携え、出かけてゆくことが本当の援助だ、と言いたい。