事故の後遺症は未だ続いているんですね・・・

4月末に起きた、JR福知山線脱線事故で、重傷を負い、奇跡的に退院してきた人が居る。一時は、心肺停止となり、再起不能と思われた彼(31歳)が、8ヶ月の闘病生活から始めて家に帰ったことが新聞に載っていた。3歳と4歳の二人の子供を抱えて、嬉しそうに微笑んでいる顔が記事に添えられていたが、何度その記事を見ても微笑ましい。ここまで彼が回復するまでには、彼一人でなく、奥さんを始め、多くの人の献身的な介抱があったからだ。



門川満さんは、29日に、自宅に戻れたが、こうして親子4人でお正月を迎えることが出来たことを奇跡のように思う人がいるかもしれない。沢山の人が同じ列車に乗りながら帰らぬ人となり、自分だけが助かって生き延びることの喜びと戸惑いに悩んでいると言う。左の肺も、通常機能の半分しか稼動しておらず、左足に筋力がまだ戻っていない。今後リハビリにより、回復のための療養は続く。



この事故で、傷付いたのは彼だけではなかった。妻もまた、7月頃から心身に不調を訴えるようになり、うつ症状を抱えることになる。夫の生死の不安や、日々の看病と子育て・・・一人では抱えきれないストレスから9月頃から起き上がれなくなったという。10月からは母親が同居して援助の手を差し伸べたが、精神的な不安が治まらないと言う。11月に退院の話があったが伸ばしてもらい、今回12月になって、退院が実現した。



今後、家族4人がどういう困難を乗り越えてゆくのか、残された課題は満載である。しかし、ようやく、家族は、8ヶ月の困難を乗り越えて、一つになった。様々な経験を一つ一つ力に代えてゆかねばならない。



きっと、子供たちも、夫婦の強い絆を毎日見ることで、大きく育ってゆくはずである。門川さん親子の今後を、多くの人々と共に、拍手でお祝いしたいですね。



彼は、こう述べています「僕が電車に乗ったせいで、家族をぐちゃぐちゃにしてしまった」と。しかし、彼と、彼の家族には何の責任もない。

マイナスの過去に拘らず、今後の未来に何が出来るのか?前を向いて進んで頂きたいと思います。

この事故で、今も入院をされている人は、まだ5人居られると言う。事故の傷跡は、被害当事者にはその人の一生に渡る心の傷をもたらしていることを知ることが出来ます。

身体的な傷と、心の傷、この二つの大きな傷跡を受け止めながら、彼等事故被害者は生きてゆかねばならない。

彼らを温かく支える、社会と地域の繋がりを、ぜひ強めてゆかねばと思います。