●08年の北京オリンピック野球チームの総監督に、星野が選ばれプロ野球球団の協力が物議をかもしている。オリンピック期間には、野球を中断する意見まで出ているという。
北京オリンピックを最後に、野球がオリンピック競技から外れる可能性が高く、最後に日本が金メダルととりに行きたいというのが一致した見解となっている。
しかし、今一度オリンピックの意義を確認するならばプロ選手を大挙出場させての方針が相応しいものなのかどうか?疑問に残る。
すでに野球の世界選手権は昨年開かれたWBCの大会で実施されており、五輪の開会もまたプロ選手が出場する大会にする必要性はどこにあるのか?
プロ選手を含めたワールドカップは、WBCだけで十分ではないのか?
●たとえば米国では、五輪の大会には超1流のプロ選手は出ない。・・・それは、プロ選手としての公式戦でワールドチャンプとなるための熾烈な争いが1年を通じて争われており、何もオリンピックまでもプロ選手が占拠する必要性を認めていないからです。また、オリンピックは興行として行われるスポーツではなく、世界の国々の選手が友好とスポーツ精神を掲げて競い合うアマチュアの大会であるという認識がある。
米国での認識を全て由とするわけではないが、少なくとも野球に関しては、オリンピックをプロ選手の興行と区別する点で賢明な選択と考えたい。
まして、WBCでの大会がすでに行われている中で、あえてオリンピックでも野球にプロ選手をつぎ込む必要はないと思う。
マリナーズのイチロー選手も、こうした考え方にたって、オリンピックには参加しない意見を表明していると聞くが賢明な意見だと思う。
日本では、星野ジャパンが選出されて、プロ選手がこぞって北京に参入することが噂されているが、今ならまだ議論は可能ではないのか?野球が今後オリンピックで存続するのかどうか?判らないが、ことオリンピックに関してはアマチュア中心のチーム編成で戦ってもらったほうが逆に面白い。
●プロを含めた世界戦は、WBCだけで十分だと考え、今回のプロ参入の流れに対して大いに異議ありの声を上げたい。
星野さんが監督をやるのは、それはそれで良いだろう。しかし、プロ選手までも巻き込んだ選手編成ではアマチュア選手の出る幕がなくなる。五輪の精神から考えて、こうした取り組み方には大いに疑問がある。
ましてや、もしプロ中心の選手編成で、金メダルが取れなかったらどうなるのか?考えただけでも胸騒ぎがする。
野球のような試合は、いくら実力があるチーム編成であっても、試合は何が起こるかわからない。逆に言えば、だからこそ面白い。
高給取りのプロ選手をかき集めてオリンピック選手団を編成しても、何も新鮮味がない。
むしろ、アマチュアの選手が、チームとして訓練され、いつもの力以上の成績を収めてメダルを取るところに面白みがあると思いたい。
今回、プロ選手中心の選手編成が画策されているが、星野さん、もう一度良く考えてほしい。