「ホワイトライト/ブラックレイン」に注目する。

ティーブン・オカザキ監督作のドキュメンタリー映画「ホワイトライト・/ブラックレイン」がアメリカで完成し、1月のユタ州で開かれたサンダンス映画祭で初上映され大喝采を受けたと言う。

1200枚のチケット完売と、聴衆に多数の若い世代が含まれていたことなど今までのアメリカ社会ではなかなか受け入れられなかった原爆を取り扱った作品として、今後どういう影響を及ぼしてゆくのか注目に値する作品です。



監督のオカザキ氏は、アカデミー賞受賞経験もある実力派ですが、かって、戦後50年を記念した日米共同作品作りで米国世論の反発を食い、製作を中止した苦い経験も持っている。原爆に対する米国民の先入観が根強く、なかなかドキュメンタリー映画が受け入れられない実情があります。



しかし、今回90分もので作られた力作は、広島長崎の被爆者約100人を取材して、その中の十数名の体験を紹介する。被爆当時の生々しい映像を交えて原爆の製造・投下にかかわった米国の科学者・軍人たちも取材に盛り込んでいます。



はたして、監督が描きたかったメッセージが、多くの米国人に届いてゆくのか?

オカザキ監督が描きたかった題材は、広島・長崎の被爆の現状には違いないが、彼が立っているところは日米の狭間にある。どちらの立場からも距離を置き、しかも事実を正確に伝えてゆこうとする姿勢が見られる。・・・はたしてどういう出来栄えなのか?興味が湧く作品です。



この映画は、日本でも夏に公開される予定ですが、楽しみな作品です。

関連情報はここです。

http://www.hollywoodreporter.com/hr/awards_festivals/fest_reviews/article_display.jsp?JSESSIONID=F11kFSLJ6sWGLGT1YhdWl2qhGFyHQFrdFVGBy4gp63W6yLnd6s5F!727677420&&rid=8734