馬見丘陵の空気は美味しかった。


今日は、本来は映画を見に行く心算をしていたのですが、当日の(映画館の)スケジュールを確認すると何と特別プログラムでお目当ての映画放映がされないことが分かりました。
「どうしよう、今日は別のメニューになっているようだ。う・・・ん?」
と呻っていると「それなら、なら博」に行きましょう」とアイデアを家内が出してくれた。すぐに、その名案に賛同して行先を「花の博覧会」に変更。電車とバスで乗り継いで行ってきました。
五位堂から降りてバスで約10分余りなので、結構速く「馬見丘陵」に到着。入場料も要らず、広ーい庭園を自由に散策することに。
 ただ、30分ほどして、空の雲域が悪くなり、ぽつぽつと雨が降っては止んで、やがて大粒のスコールとなりました。
幸い、緩やかな山の高台に大テントが張ってあり、奈良の歴史にちなんだ花と緑のシンポジウムが開かれていたので、しばらくその話にベンチに座って聞きました。
何人かの招かれたシンポジストの中に、西山さんという方がいて面白い話をされていたので、覚えている内容について少し紹介しましょう。
「私は、奈良市春日神社の近くに住んでいて、同じく職場も奈良市の役所の近くで努めています。
朝から晩まで、館内で仕事をしているのですが朝晩春日大社の近くを通りながら奈良の自然や大和空を眺め、雲の流れや風を感じて通勤しております。
2千年の現代の人間でも、奈良のこうした自然の雄大さ美しさ奥深さを毎日感じ、それで豊かな心になるのですから、昔の古代の人達がこうした自然を見て感じる感動はもっと深いものであったのではないか?と想像しています。現代に生きる我々の五感はかなり擦り切れています。でも、それは環境から影響を受けているんです。
奈良には、街のすぐ近くに原始林が保存され現代の街と共存しています。・・・この奈良の自然は、本来の自然の持つ鋭さや恐怖とは少し異なって、人間の手による緩やかな自然が保存されていることが特徴として挙げられます。京都にも、昔からの沢山の古の雅が残されていますが、奈良にはこうした古来ならではの緩やかな自然の美しさというものが上手く人間と混ざり合わされた文化を作っているのではないか?と思い、私はそんな奈良の味わいが大好きなんです。」
大体こういった内容が語られ、味わい深いお話でした。
西山さんたちの話を聞いていたら、だんだん閉演の時間も迫り、雨も小降りになったので、帰りついでにまだ見ていない花たちを鑑賞しながら、出口まで散策しました。
もちろん、広い庭内は一部しか見れなかったのですが、豊かなの時を過ごすことが出来ました。

庭園で写した何枚かのスナップをどうぞ御覧ください!
何と言ってもこのダリアが素晴らしいでしょ?