経済制裁は、対立を進化させるだけです。

横田めぐみさんの父滋さん(72)と、母早紀江さん(69)夫妻が、参院拉致問題特別委員会に参考人として出席したニュースが報道されている。席上、北朝鮮への経済制裁について証言して、北朝鮮にとって、経済制裁を受けることの打撃と、拉致被害者を開放することのメリットについて述べられたという。



横田さん夫婦にとっては、娘を突然拉致して奪い去り、、未だもって解放しようとしない北朝鮮に対しては、強い態度で交渉することがどうしても必要と言われている。本気で怒れば、向こうが折れるはず、という論理には、被害者としての気持ちは理解できても、賛成することが出来ません。



言われているように、今、北朝鮮をすべての話し合いから孤立へと追いやることになり、単なる経済制裁以上の事態を招く危険性があります。文字どうりの国家間対立へと進んでしまう可能性があり、そうなれば、今度は、戦争体制へと突き進んでしまう可能性すら考えられます。とことん、対立を深刻化させることにより、もう引き戻れない対立へと進んでしまうことは、何としても避けなければなりません。



元に返って、拉致被害者の開放を訴えることは正当であり、そのための話し合いを継続し、この間の北朝鮮当局の誤魔化しについてははっきり叱り付ける必要もあると思うのですが、経済制裁にまでいってはいけません。





韓国や、米国の当局も、日本の経済制裁については、慎重に対処して欲しいと、再三述べていることから判るように、経済制裁という、最後の切り札を切らないことを忠告している。

日本が、そうすることにより、韓国、米国も厳しい外交関係を招いてしまうことになることを心配しているわけである。



確かに、北朝鮮は、自らの国家的な犯罪として行った、拉致事件を有耶無耶にしようとしていると思うし、それは、話し合いにより、相手の非と認めさせることが必要であると思います。



大切なことは、金正日独裁政権を国際的な外交包囲網の中で武装解除してゆくことです。



中国も巻き込んだ形での、平和政策を進めることにより、核武装かも含めた北朝鮮の軍事的脅威を少しずつ取り除くことが先決です。

経済と、文化面での交流をもっと深めることにより、必ずや、北朝鮮専制君主たちを揺さぶる動きが出来てくるはずだと思います。



拉致被害者の救出を前に進めるために、政府・外交機関は、政治的働きかけをもっと強めていただきたいと思います。諦めず、強かに、被害者が救出されるまで、その努力を継続して頂きたいと願います。