114200人、これは何の数字か分かりますか?

200年の日本におけるタバコが原因とされる死亡者数の事なんです。この数は、自殺する人の統計が年間死亡3万人を超えているから、其の4倍近くだということです。この数字を如何捉えるか?多すぎると思うのか、少ないと思うのか?一つ云える事は、喫煙者だけの問題では無く、煙を吸わされている受動喫煙の人も巻き込んだ被害を出している事を重視したい。



今や、喫煙が体に悪い事、特に青少年に悪影響を与え、身体的成長を阻害する事は科学的にも証明され、喫煙が正常な健康生活を蝕む要因を作る事が疑うことは出来なくなって居ます。

こんなに人間生活に害悪となる事を、何故人間は止められないのか?

自分の健康だけでなく、自分の家族を始め、近隣に暮らす人への悪影響がある事を考えれば、たばこを吸わない、吸わせない環境作りは、今後益々必要性を帯びると思われる。



一昔前までは、ここまでタバコの害が言われなかった。しかし、流石に、日本たばこ産業を司るJTもタバコの販売に関する、自主規制を其の販売製品の表示等で、行わざるをえなくなった。でも、販売を止め様とはしない。人間の体に悪いことは承知で、販売を継続する、これは、人間の健康に対する挑戦であろう。



昔は、医学的な害悪の数字も出来上がって居なかった。しかし、今日、タバコによる害悪の数々のデーターが明らかになり、もはや、このまま喫煙を社会的に放置する事は許されない事態となって居る。



40年代から60年代の映画では、カッコ良い(?)俳優達がしばしば喫煙をする場面が出てくる。日本でも、青少年達が、そうしたカッコを真似する傾向が少なからず浸透していた。タバコを吸っていれば、何か社会に対して一人前に反抗しているような気分になるのかもしれない。・・・しかし、実際には、それは、社会に対して反抗して居るのではなく、自分や其の周りの人の健康を其のつど削り取って居る。



取り分け、青少年の喫煙の弊害は、其の若い肉体を人間的成長から阻害する意味で深刻であると云える。



大切な事は、喫煙をする誘惑から、青少年を守る事であることは間違い無い。しかし、何故喫煙が危険な行為であるかをもっと教育・宣伝してゆく必要があり、それは、エイズ感染症の害を訴える事と同じ意味で重要と考えられる。

タバコを吸わなくても、十分にストレスが解消出来る環境作りも叉必要であり、一人一人が喫煙の害をちゃんと認識する事が大切と思う。



タバコの喫煙で、何時も問題になるのが、医者や看護師の中に、日本での喫煙率が極めて高いという事実です。諸外国では、それは考えられないのですが、何故日本で、この様に医療関係者の喫煙が蔓延しているのか?これは、大きなテーマです。本当の意味で、日本の医療従事者の喫煙の問題がテーマとして捉えられているかどうかも疑われる現状があります。この事は、医療従事者の心の問題でもあります。

タバコを吸うという行為は、ニコチンの吸入による慢性的な依存行為です。疲れた意識や、疲弊した神経を、一時の麻痺により、気持ち良くさせるために吸うわけです。しかし、実際には、『タバコが上手い』という感覚は、何の根拠もありません。タバコは、本来、苦いものです。苦い毒を上手いと感じる感覚事態、正常な感覚から外れています。

美味しくないけど、惰性で吸っている、と言う人もいるかもしれない。・・・どうか、そういう人は、早く止めて頂きたいと思います。自分や周りの人の健康をこれ以上破壊しない間に止めて頂きたいと思います。



タバコから自立し、吸わない生活が取り戻せるようになれば、早ければ早いほど、健康な生活が取り戻せる事は間違いありません。



114200人、この数字を如何捉えるのか、私達一人一人に、今喫煙の問題が問われていると思います。この20年の間に、2倍に膨れ上がったタバコが原因による死者。この事実を、曖昧には出来ません。