『多くの米兵家族の意見』は正しいか?

24日、米国大統領のブッシュは、アイダホ州ナンパにて以下のように語ったと報道されている。座り込みを続けているシーハンさん達の撤退論に対して、イラクでの戦いを止めるわけにはいかないと語った。



いわく、「私が大統領である限り、我々は踏みとどまり、戦い、テロとの戦いに勝利する。・・・彼女(シーハンさん)が抗議する権利は認める。彼女の苦痛も分かる。しかし、彼女の考えは此れまで私が会った多くの米兵家族の意見を代表していない」

このように語って、シーハンさんの意見が、米国の多数の意見を表してはいない、と指摘した。

しかし、増え続ける米軍の犠牲者に対して、彼ら若い戦死者が”米国の自由の星”となったのかどうか?極めて疑問である。多くの犠牲を払いながら、尚且つその数倍以上のイラク人の犠牲者を増やして、何がテロとの戦いであろうか?

増え続ける死傷者の連鎖を、何処かで断ち切る必要があるのです。力による押さえ込みは、必ず、叉力による血の復讐が続くことを歴史は示しているのです。



米軍に反抗する武装勢力を皆テロリストと呼ぶ米軍の見方には同調することは出来ない。フセインを打倒し、イラクを米軍の支配化におくまでの作戦は筋書きどおりかもしれないが、その後の占領体制の継続には、多くのイラク勢力の反感を生んでいる。ましてや、開戦当初に取り沙汰されていた、フセインの”大量破壊兵器”などは見つからず、米軍を始め、同盟国の大儀名文すら、不確かな空文句となっている。



イラクでの自立を促すためには、現在の占領軍=米軍を撤退することから始めてゆく必要のあることは、多くのイラク人達が望むことであり、希望することではないのか?膨大な軍事予算をつぎ込んで、喜んでいるのは、軍事産業の部門だけである。おぞましい戦争勢力をこれ以上つけ上がらせる必要はないと考えます。



国連を初めとして、軍事力によらない民間レベルでの平和的援助こそが、今後のイラクの自立を側面から支える鍵であると思います。



ブッシュとその取り巻き連中たちは、シーハンさん達の訴えに耳を貸そうとはしませんが、彼女の訴えに代表される平和へ向けた叫び声をしっかり耳を傾けるべきであると考えるのは、決して少数の人だけではないのです。



一日も早い撤退をすることにより、多くの米兵だけではなく、その数倍のイラクの人たちの犠牲者を食い止めることに繋がると考えます。