"キャンプ・ケーシー"をホワイトハウス前に作ろうとするケーシーさんのこと。

息子さんの名前に因んで、テキサスの座りこみの場所を"キャンプケーシー"と呼ぶそうだ。ケーシーさんらの支援者達は、今度はブッシュの牙城であるホワイトハウス近くに"キャンプケーシー”を作ろうとしている。



全米各地でのバスツアーも開始され、ケーシーさんの呼びかけに答える幅広い支援組織も生まれつつある。

先日18日に行われた、ニューヨークの教会での集会では、数百人の聴衆を前にしてケーシーさんの訴えが述べられ、多くの賛同を得た。たんに、反戦活動の領域だけではなく、災害救出活動の不備などから、現ブッシュ政権の非難へ向けた一大反対運動へとうねりを広げようとしている。こうなると、もはや、無視出来ない呼びかけとなりつつあり、イラク政策の変更を求める米国民の声を代表する一翼に育ってゆく可能性もあり得る。



今叉、米国ではハリケーンの再襲来に備えて、多くの人々の避難が始まっているとのニュースが届いており、カテゴリー4に分類される『リタ』に備えた災害対策が急速に急がれている。



一方、ブッシュ大統領は、『イラクでの活動は終わっていない。任務をやり遂げるまでは、テロとの戦いを継続する』とアピールしても、今までのように派兵に賛同する声は小さく弱まってきており、反対に、『国内での救出活動などに力を注げ』と言う声が日増しに大きくこだましている。



『リタ』の対応次第では、今度はブッシュにとって、致命的な反対勢力の形勢を促してしまうかもしれない。・・・こうなれば、近い将来の、国策変更=イラクからの撤退、があるいは行われる可能性もある。



この意味では、シーハンさんの運動が、反ブッシュ陣営としての大きな機動力となっている事も事実である。

市民運動の盛り上がりとして、今後の米国における反戦運動が、どれだけの階層の人々をひきつけて高揚するのか注目される。

かってのベトナム反戦運動のように、政権自体を突きくづす原動力となって行くかどうか、これは今後のシーハンさん達の運動次第である。



1人の戦死した青年の母(48歳の)の訴えにより始まった座りこみ運動が、こうして大きな社会のうねりと成長した。

このうねりが、ハリケーンの巨大なうねりとなって、現政権を揺るがす運動に成長するかどうかは、米国民の冷静な判断にかかっている。

つくづく思う。母親は剛である。息子ケーシーさんの死亡にたいして、ただ嘆き悲しむのではなく、国家政策の変更を求め続ける彼女の行動力に、敬意を示したいと思う。