食べないことにより、何を味わっているのか?

息子の絶食は継続されて居ます。4日目を過ぎて残すところ後3日です。食べないことにより、実は多くのものを味わっているのではないか?と思うんです。たんに餓えることを体験するのではなく、人間と云う生物がものを食べなかったらどういう事になるのかを少しでも知っておく良い機会になっていると思います。



相変わらず、家族が食事をしている時などは、匂いを嗅いで見たりして食べることの興味が抑えきれないようですが、しかし、絶食の継続は必ず続けたいという気持ちが働いているためなのか?ここまで当初の目標を続けてきているようです。



此方として興味があるのは、食べないことにより、普段の日常生活でどんな特殊な変化が起こっているのか?です。

微妙なことは本人が話してもらわないと判らないし、叉それは話を聞ける機会もあるでしょうが、きっと色々見えてきたものがあるのではないかと思います。

どちらかというと、身体的な変化よりも、心理的変化や、感情的変化それから知的な思考力の変化や物事の洞察力・判断力の側面では如何なのか?等興味が尽きないです。



戦後の小説で、戦争に行った兵士の、餓えて死体を食する物語が、あったと思います。("大岡昌平だったかな?小説家の名前が出て気ませんが・・・)あのテーマも、やはり、餓えることによる、人間の精神の奥底の微妙な変化と、その移り変わりの中でも貫かれている人の生き方を記していこうとされているんだと思います。



人間としての一線を越えてしまうかもしれないその境界線での生き方を問われる問題と、今回の絶食とを、同一線上に考えることは出来ないわけですが、でも、そうした普段気付かないテーマに向かい始める良い機会にはなるのではないかと思います。



本人は、どういう気持ちで今回の絶食を考えているのか?もっと、気楽なダイエットとして捉えているのか?それは判りませんが、横から見ている自分としては、今回、凄く考えさせられる切欠になりました。



後3日ですので、恐らく無事一週間の絶食をやり遂げることが出来るだろうと思います。叉やり遂げた頃に、まとめを認めて見たいと思います。まずは,中間報告まで・・・