あなたのマンション大丈夫?

姉歯建築設計事務所(千葉県市川市)による、”構造計算書の偽造”が表沙汰になっている。マンションなどの建物の強度を表示するこの書類を、不正に処理していた疑いが持たれている。これは、地震等の災害時に、どのくらい建築物が耐えられるかをコンピューターで専門的に計算して表示しているが、この数字を不正に処理していた訳である。例えば、書類上は震度7程度まで耐えられることになっていた建物が、実際の地震では、震度5で倒壊する危険性も出ている訳である。こんな恐ろしいごまかしが何故平然と行われ、建設途上でストップ出来なかったのかが問題になっている。



建築物は、工事発注者から、建築事務所に、こうした設計上の施行プログラムが発注されて工事が計画されるが、此れを請け負う設計事務所が、工事を急ぎ早く処理したいあまり、こうした計算書を嘘のデーターでごまかしてしまうことがあると言う。この結果、このデーターの審査を行う機関が、これまたずさんな審査をして、こうした不正な発注書を公に認定してしまうという事態が発生する。・・・こうなると、ごまかされたデーターを「可笑しい」と読み取ることは殆ど不可能となり、実際の不正な工事が公然と行われることになる。



建築物の構造計算書は、実際には何百ページにも及ぶ数字の羅列で出来ており、素人では此れを不正と読み取る事は不可能らしい。

しかし、偽造された書類には、適正なプログラムを使用したさいに各ページに印字されるはずの認定番号がない。若し、この番号が印字されていない計算書が在れば、疑ってかかる必要があると言う。



イーホームズ”と言う民間会社が審査をしていたようだが、どうやら、きちんと見抜けなかったか、見逃していた疑いが持たれている。



建築事務所の不正処理と、審査機関のずさん認定・・・この2つの要素が重なって、今回の不正建築問題が成立している。

この背景には、コストを少しでも削減して、利益を上げようという、建設業界の競争がある。優良建築の競争ならば誰もが歓迎するが、こうした不正なデーターを表示したマンションがどんどん作られているとしたら、実際に大きな地震災害が起こればどうなるのか?



阪神大震災のおりに、倒壊したビルの姿を御存知の方も多いと思う。

ああいう大地震が発生すれば、まともな建物でも危ない。

ところが、其の時良い加減に計算されて、手抜き工事をされている建物がどういう被害を受けなければならなくなるか、考えて見て頂きたいものだ。きっと、大きな被害が出る事は間違い無い。しかも、これは、自然災害と言うよりも、人間の悪意のある人災と見なければならない。



現在、どのくらいの建物が、こうした不正な”構造計算書”による手抜き建築物として作られたのか調査されているが、ひょっとすれば、我々の住むマンションも、こうした不正な数値により建てられているのかもしれません。これは、当事者としては、騙されましたでは済まされない。来るべき、大地震の災害に怯えながら暮らさなければならないなんて、酷い話です。



今回、明らかになった姉歯建築設計事務所に対しては、徹底的に過去の設計に遡って調査をして、全ての不正に建設された建造物の公表と、保障を進めて頂きたい。

勿論、全国の建築設計事務所に対しても、公的な調査権を発動して、日本全国の建物の安全管理を調べなおして頂きたいと思います。

そして、此れに伴う調査費については、全て、不正処理をした当事者グループにその費用を負担させるべきです。