USENによるライブドア株大量取得が意味するもの。

フジテレビが所有していたライブドア株、12・74%をユウセンの宇野社長が個人で「ぽん」と取得したと言う。その価格何と95億円と言われている!この買い物は、果たして無謀なものか?それとも先を見越した経営戦略として評価できるものなのか?いずれにしても今後のUSENライブドアとの提携が注目されるものとなる。



USENは、企業としてではなく、宇野社長個人として、今回の株買取を決定したと言う。・・・これは、もし結果が出ないライブドア株取得となっても自社に悪影響をもたらさない為の背水の陣とも受け取れる。

一方、ニッポン放送株の買収問題から和解のためにライブドア株1億3374万株(1株329円)を440億円で購入したフジテレビは、今回のUSENへの株販売により、300億円以上の損失となり、損害賠償請求も準備されているという。

フジとしては、当座の転売価格95億円は戻っても、後はどこから取り戻せるのか?裁判で提訴したとしてもおそらくこうむった損失の補填は難しいとされている。



USENの業務提携は、ライブドアポータルサイトを、昨年4月から開始して延びている無料ネット動画配信「GYAO」に結び付けて、500万人と言われるライブドアポータルサイト会員と、100万人と言われるブログ会員に影響力を強める狙いがあるとされている。



一番の問題は、今後提携したライブドアが、東証1部上場から締め出された時に、どういう企業展開が出来るのか?果たしてまともな企業運営が継続できるのか?と言う問題である。

証券取引の現場から放逐される企業の土台をそのままにして、新たな企業が利用しようとしてもおのずと限界があることを知るべきであろう。



また、忘れてはならないこととして、ライブドアは今後膨大な損失補償にあい対しながら被害を受けた株主との訴訟問題が山積みとなっていることである。

また、USENの宇野社長が幾ら大株主となったと言っても、未だ厳然と堀江元社長が最大の株主としてライブドア株を所有していると言うことです。



やはり、これだけのリスクを背負ってしまっている会社は、一度解体して出直したほうが良い。ライブドアが持てる資産・・・もちろん個人資産も含めてすべてを明らかにして公開し、損失を与え被害を受けた人たちに可能な保障をすることからはじめるべきだ。これはけじめとして遣ってもらわないといけない。



これをきちんとせずに、今新しい事業展開をやろうと言う遣り方は、無責任極まりない。

こういった意味において、今回のUSENによるライブドアとの提携は、大いに疑問ありです。