WBC(国・地域別対抗戦)が残してくれたもの・・・その1

終わってみればあの感動もだんだん遠くなるようです。スリルと感動を世界の野球ファンの胸に残して各国の選手たちは元の自分のチームに復帰しています。



優勝したのは日本ですが、私は韓国の強さが印象に残ります

通算6勝1敗ですし、勝率だけで言えば、韓国が参加チームの中で一番であることは間違いないのです。1次予選と2次予選の全勝で準決勝に望み、そこで日本と3度目の対戦をして敗れたのです。かたや、日本は3敗をしている。準決勝は、6対ゼロという事で日本が完勝しましたが、それまでの6連勝を見てみると、それぞれの選手のまとまりがとても良いチームだと思います。とりわけ、守備が良い。殆どエラーをしないし、ここと言うときに、すごいファインプレーをしている。



1次予選で、確か8回だったと思うけれど、満塁でのライトフライの時、ダイビングキャッチをして好捕した場面が印象的です。あれがもし抜けていたなら、2・3点は入っていたと思われる。そうなれば、試合の方はどうなっていたか分からない。おそらくやすやすと韓国の勝利にはならなかったと思われる。



しかし、こうした守備の堅さが、今回、韓国がここまで勝ち抜いてきた原動力で在る事は誰しも認めるが、別の側面から見れば、中軸打者のここぞと言う時の打撃センスが抜群に良い。チャンスに強いと言うことは、それだけチームの試合に対する取り組み方が違うと言うことでも在る。



一人、一人の実力(普段のチームでの働き方や能力)では、日本の方がはるかに有名選手をそろえていたと思います。また、アメリカやドミニカ共和国あたりは殆ど現役の大リーガーたちが揃っていました。でも、最後まで勝ち進むことが出来なかったのです。ただ、強力なパワー選手をそろえたチームが優勝すると言う、単純な力関係で勝負は決まらない事は確かです。

ところが、野球は大リーガーを沢山そろえたチームが勝利するわけではないとするなら、一体チームとして何をすれば良いのか?

言われている様に、日本チームは足の早い選手を揃えた。盗塁などで掻き乱す戦法が大当たりです。イチローや西岡・川崎等の活躍無しには、ここまで日本が健闘し優勝する事は出来なかったと思います。

この意味では、日本が一番効率の良い試合展開をしたと言えるでしょう。



それから、今度のWBCで、日本がここまで苦しんだ理由の一つに、審判員の制度の問題があります。

あの悪名たかき米国のマイナー審判員。彼らは何故、重要な場面でへぼ判断を繰り返すのか?

一つには、メジァーの審判員なら、こうも見事に間違いだらけの判定を下す事は無かったであろう。マイナーの審判のレベルが、元々こうした大試合での審判経験がされておらず、低いものであったことが挙げられる。従って、あの米国戦での8回の疑惑のタッチアップアウトの判定において、普通、正規の審判ならば、一度セーフと判定し加点した判定を相手チームの抗議により覆すと言う事は有り得ないはずである。・・・この意味では、王監督が記者会見にて話したように、「野球の始まりである米国で、このような判定がされることには大きな疑問がある」のです。



しかし、今回、こうした誤った判定を正すための規定も方策も無い中で、あの疑惑の判定は米国に勝利の微笑を送りました。世界の野球ファンは、あのまま準決勝に米国が滑り込んだとしたら、今後の大きな汚点としてこの問題は語り継がれることとなったでしょう。

・・・しかし、皮肉なことに、米国はメキシコに苦敗して、日本が準決勝へ進出した。米国チームが、2次予選で、1勝2敗する事は、試合前ではちょっと考えられなかった展開である。