凄惨なイラクの現状を憂う。

記録によると、イラクでは03年の開戦以来、3年間で少なくとも10万人、多く見積もれば15万人の犠牲者が出ているという。・・・これだけの犠牲者が出ていることを全世界の人々は再認識する必要がある。



加えて、今年になって国内での内戦状態が深刻化し、スンニ派シーア派の宗派対立が激しさを増している。同じ国家でありながら、対米戦争とは別に激しい憎しみを伴ってお互いの存在を否定し合っている状態が続いている。



日本に居る自分達から考えると、これほどの混乱をきたしているイラクの現状は、なかなか理解しがたいものだ。

いくら、米軍の過剰な攻撃とブッシュの好戦的な戦略を非難しても、混乱した現状が好転する出口が見つからない。

先日、11月12日には、1日の死者としては最悪の159人の内戦死亡者が出たと報告されている。これだけの人間が、命を消されている現状が、もはや普通の状態であるとは誰も思わないでしょう。内戦、と呼ぼうが呼ぶまいがそんなことに関係なく国として瀕死の状態に陥っていること、言い換えれば狂気の殺戮がまかり通っている現状があることを確認したい。

こんな状態が日常化することを国際世論としても許すわけにはいかないし、混乱収束のための方策が国連等を中心に進展することを祈りたい。

・・・僕たちが出来ることは、祈ることだけなのか?

それとも、勇気ある人達のように、現地に乗り込んで、「戦いを止めろ!殺しあうことを止めて話し合え!」と体を投げ出し呼びかけることなのか?

また、医療品等、子供や老人を救出するための現地接触を企画して、NPO等による市民救援運動を盛り上げることが大切なのか?

遣り方は様々在って良いと思う。

それぞれの狙いから、可能な支援活動が継続されることが必要です。

大切なことは、諦めず、混迷するイラクの現状を打開するための努力を継続することです。一人ひとりの立場で出来る支援をしてゆくしかないと思います。



日本の政府に対しても、米国のイラク占領政策に追随することを止め、自衛隊の派遣を止めるよう今後も働きかけることが必要です。



憎しみの連鎖に終止符を打つべきです。次の世代の子供たちに、争いごとの種を引き継ぐべきではないのです。新たな悲しみ、新たな混乱は繰り返されてはならない。どんな考え方、思想・信条・宗派があっても、お互いの存在を否定すべきではない。ともに共存する社会のルールを確立してこそ、未来の地球上の平和が達成されるのです