熊本市の慈恵病院(蓮田晶一院長)が赤ちゃんポストの設置を市当局に申請して許可を求めている。
熊本市の方は、厚生省に、設置に当たっての許可を伺いたてており、どうやら許可が下りそうな状況となっている。
ただ、国としてはこの許可が、次の「赤ちゃん箱」の設置にすぐ繋がる流れにならないように警戒している。つまり、限定された範囲での設置許可が下りそうな状況です。
ご存知のように、赤ちゃん箱は、やむをえない理由により、乳幼児の生命が危険にさらされるときに、その子の生命を守るための駆け込み寺として設置される。
承知のように、子供を育てられない母親が、やむを得ず子供を育児放棄して生命に危険をさらす事件が後を絶たない。こうした犠牲にさらされるのはいつも弱い子供たちです。
何としても、子供たちの命を守らなくてはならない。罪の無い幼い命が、大人たちの身勝手な行動で命が奪われないために何とかしたい・・・
こうした願いが、「赤ちゃんポスト」として具体化したのだと思う。
ポスト設置の思いは純粋なもので歓迎すべきものだと思う。
しかし、ポスト設置がそれで問題を解決するものでも何でもない。
解決されなければならないことは、親が子供を捨てると言う問題です。
この行為は、許されるものではない。
ただ、以下のことが言えると思う。
1次的に子供を安全な場所で預かってもらい、一定の時間・期間を経過して子供を引き取ると言うことです。
本来は、継続的に子供を育ててゆかねばならないことは言うまでも無いが、どうしてもそれが出来かねることはあるだろう。そうしたときに、親に代わって子供を安全に育てる機関があって良いと思う。
こうした役割として、「赤ちゃんポスト」を設置することには大いに賛成です。子の位置づけからは、後ろ向きの育児放棄ではなく、子育てに対する前向きな対応が求められるのです。
どの親も、必死に子育てをしており、辛いことや困難なことがあっても、子供を育ててゆかねばならない。これが基本であることは間違いない。
しかし、どうしてもそれが出来かねるケースもある。
このことをしっかり認めて、辛い環境にある親たちに救いの手を差し伸べることが大切だと思う。
結論として、「赤ちゃんポスト」を発展させて、臨時育児事業として、最寄の市町村で窓口が設置されることを提案したい。
昨今の虐待事件は、多くの子供たちの犠牲を数え上げているが、こうした臨時育児事業が開設されることにより、きっと多くの子供たちの命が守られ、育てられることと思う。
単に、子供の育児を放棄するポストとしてではなく、将来的な育児の責任を自覚するためのポストとして、公的に窓口を設置することが必要です。
後ろめたい赤ちゃんの救済ポストではなく、本当の親に成る為の、きっかけと臨時育児請負ポストとして、公的に「赤ちゃんポスト」を設置すべきだと思います。