単騎、千里を走る(チャン・イーモウ )

 単騎、千里を走る(チャン・イーモウ )ジャンル:家族 2006/02/03 00:36

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ストーリー 危篤となって癌に冒された息子との心のよりどころを取り戻すために、主人公(高倉健)は、中国のミャンマーの国境近くの中国・麗江市に赴き、舞踏家の男を探し出す。しかし、彼は何と犯罪を犯して監獄の中に居た。如何すれば、彼の京劇を撮影することが出来るのか?主人公(高倉健)は行動に出る・・・



出演:             高倉健 中井貴一 寺島しのぶ

この映画にいくら出せますか? 1000円〜〜2000円

音楽・  ストーリー  映像・    演出 俳優   総合評

☆☆☆  ☆☆☆     ☆☆☆☆   ☆☆☆☆   ☆☆☆☆





コメント

癌で冒されている息子(健一)にはもういくばくも時間が遺されていないことを知らされた主人公は、自分が中国へ出向いて、京劇を撮影しようと旅立つことになる。

しかし、言葉も分からず、現地で取材の意思を伝えることは困難を極めた。

・・・しかし、主人公(高倉健)は諦めなかった。役者の中国人舞踊家・李加民(リー・ジャーミン)に息子がおり、彼も離れ離れになって別離の苦しみを胸に抱いて生きていたことを知る。・・・そこで、主人公は周りの者の反対を押し切って李加民の息子に会いに出かける。・・・少年のヤンヤンとの面会を祝ってくれる村人達の心の温かさを知って、悲しみを懐く父親が中国にもいることを気付く彼はヤンヤンの写真を取ってきて役者の李加民に息子の姿を見せる。そこで、再び李加民の父親としての涙を見る。・・・主人公は、己一人の悲しみやわだかまりだけに捉われていた自分の至らなさにもつきあたる。・・・もう、主人公にとっては“千里走単騎”を撮ることは意味の無いものとなった。息子の死を知らされた今となっては、芝居を撮る必要もなくなった。・・・しかし、李加民を始めとして、中国の囚人たちは自分達の演劇を撮ってくれと頼む。主人公は、感動の中で、古来の京劇、 「千里走単騎」を撮ることになる・・・・

この映画は、純粋さと人間の感性が、国境を越えて、何時の世も人々を結びつける力がある事を知らせてくれているように思う。

派手な「切ったはった」はないけれども、人の心を揺り動かす温かさを知らせてくれる物語であると思う。

私には、アクションものが闊歩する映画情勢にあって、このての地味な映画が、遺されてゆくことに安堵するひと時がありました。