明日の記憶(堤幸彦)

 明日の記憶(堤幸彦)

ジャンル:人間 2006/05/14 09:40

編集

ストーリー 働き盛りの50歳、広告代理店部長が突然若年性認知症にかかり、職を失い、家族に激震が起こる。・・・やがて、次第に彼の記憶が失われてゆく・・・

出演 渡辺謙 樋口可南子

この映画にいくら出せますか? 1000円〜〜2000円

音楽   ストーリー  映像・演出  俳優    総合評

☆☆☆  ☆☆☆☆   ☆☆☆☆   ☆☆☆☆  ☆☆☆☆





コメント

近くにある駅前の映画館で昨日13日の最終放映時間に見ました。(20:40から22:50まで)何時もは、ぱらぱらの少人数の入場者ですが、今日は初日でもあり15人くらいのお客さんが入っていました。

意図せぬ脳の病に侵されて、主人公の記憶が加速度的に失われてゆく。・・・それを、なかなか病としては捕らえなれない苦しみ、自らの職をも明け渡さなければならない悔しさが主人公”佐伯雅彦”の表情から痛いほど読み取れる。

・・・家庭での療養生活は、佐伯にとっては辛い月日である。次第に、自分の記憶や歴史が脳裏から離別してゆく苦しみが続く。それを忘れまいと日記を付けたりもする。懸命に夫を支えようとする妻の献身的愛、・・・それさえもに佐伯は当り散らし暴力を振るうまでに病気が進んでゆく。・・・クライマックスは、山道で遭遇する妻が識別できず、行きずりの人として挨拶し歩いてゆく場面である。山奥のつり橋の上を二人が歩いてゆくさまが移されているが、その二人のシルエットは寄り添って、仲睦まじく歩いている姿ではなく、底深い悲しみに満ちた痛みに打ちひしがれる夫婦の歩いてゆく光景である。



この映画を見ることにより、若年性認知症に苦しむ人たちへの共感を少しでも多くの人が理解するきっかけになるのではと思います。映画を通じて、みんな涙を抑えることが出来なかったと思います。