旅の思い出

no-mu2008-03-15

昨日も記載した沖縄の旅で、「失敗談」があります。
事前にインターネットで調べて予約した安宿に辿り着いたまでは良かったんですが、・・・部屋に入ってびっくり。(@_@;)手作りの2段ベットが窓際に置かれ、後は畳3畳分くらいの板の間がある。靴も4人が中で脱ぐといっぱいになるので踏んづけずに出入りするのが大変。部屋の明かりは裸電球が真ん中に一つあり、後は小さなテレビが設置され、エアコンも100円玉を投入すると作動する。勿論、この時期エアコンを使う必要はないが、4人が一晩を寝るには圧迫感すら感じられる安宿でした。トイレとシャワー室が共同で入り口に設置されています。(しかし、夜間になって管理人が不在時に電気が何の原因かつかなくなり停電状態、朝まで明かりが灯らなくなりました。)おかげで、真っ暗な中で何度かトイレに入る体験をしました。貴重な体験ですが、携帯電話の明かりでようをたす若い人たちも多かったようです。特に女性は、大変だったことでしょう。

 この「高級安宿」は、4人で泊り1万円ぽっきりのお値段。おまけに、ネットの館内写真ではリゾートのイメージの観葉植物が置かれていたのが好感が持てた。しかし、訪れてみると、置かれていたのは模造の植物で、共同のスペースにはソファーなどが置かれてゆったりとしたスペースが取られていた。
どの部屋も、2から4人の部屋とあとは相部屋(ベットがカーテンで仕切られている)が沢山並んでおり、およそ15室程度の部屋に2・30人が宿泊可能なように設営されていた。
インターネットで売り出しているので、結構若い人たちが利用されているように見えました。
ただ、失敗だと思ったのは、この部屋で1泊したことに満足する気持ちになれなかったこと。寝るには眠ることが出来たのですが、ただ安いだけの宿で、旅を楽しむという意味ではまずかったかな?と反省しきりです。でも、自分の中ではこうした安宿の体験も十分価値あるものと納得が出来たのですが、家族で体験した意義が何であったのか?他の家族の受け取りは微妙であったと思います。
お金を出せば、清潔なシーツや寝場所を提供してくれるホテルは沢山るでしょう。しかし、今回はただ単なる観光旅行のつもりではなかったという意味では「安宿」利用もまた良い旅の思い出になった。

それから、最後の日に那覇の博物館前で出会った女性について少し記述しておきます。
もうそろそろ空港に向かう必要がある時間だったので、早々に出口から歩き出すと一人の女性が声をかけてきました。「すみませんが、私をこれで撮ってくださいませんか?」と携帯電話を差し出されました。快く応じて、女性を建物の前に立ってもらい、シャッターボタンを押しました。「保存のボタンも押しましょうか?」女性を気遣った声をかけると、「あ、それは自分でやりますから結構です」とはっきり答えられたので、何もせずそのまま携帯電話を彼女に渡しました。お礼を言われる女性に一礼をして、車に向かって帰りかけると、今度は息子に話をされ始めている。・・・何分ぐらいであったろうか?何やら話されているのを数10メートル離れた場所から見守っていたが、その時間が結構長く感じられた。・・・最後に別れ際に、もう一度私たち家族にお礼のお辞儀をされたので、私たちも笑顔で挨拶を返した。
 その女性が何を息子に話をされていたのか、空港に向かう車内で尋ねると、どうやら大阪から一人旅で来られていて、約1カ月沖縄に滞在される予定だとのこと。ホテルに宿泊され、ゆっくりと沖縄各地を回られているようです。せっかく話ができる人たちと出会ったけれど、私たちは今日帰る予定とのことで少しがっかりされたようです。
でも、この女性なかなかはっきりとした話し方と余裕のある人柄から考えて、昔はどこかの学校の教師などされていたことがあるのかもしれない?と想像できる。年にして、80は越していると思われる方でしたが、背中は曲がっておらず話しっぷりも立派なもの。人と話をするのが大好きな方だということはすぐに伝わり、私達も時間に余裕があれば、もっとお話の時間を割くことも出来たのにと残念に思いました。
年をとっても、年金などの少しの裕福な経済環境があれば、こうした余裕のある旅の楽しみ方があるものなのだと気付かせてもらえる時間を持てました。
これから、1カ月、彼女がどういう体験をされるのか?もしまたお会いすることがあれば話を聞いてみたいと思わせる方でした。

ともすれば、沖縄観光は、若い女性たちが「キャーキャー」と騒いで街の有名商店街などを練り歩く姿だけがクローズアップされるものですが(行きしな空港へのリムジンバスで一緒だった「ギャル軍団」はまる70分間大声で騒ぎまくって周りの者に何の配慮もなかったことを思い出す(・へ・))、今回の女性のように、高齢になっても一人旅でゆっくりホテルで宿泊しながら観光などを楽しんでおられる方もいるんだと思います。
今またその女性のことを思いながら、一人で感心することしきりです。