琴欧州の快進撃に拍手。

no-mu2008-05-22



ここ2年、琴欧州は不調に悩んでいた。大関になるまでは順調に出世を果たし、次の綱候補として期待されていた外国力士です。すらりとした長身と愛くるしいスマイル、甘いマスクが人気を呼ぶ。・・・ところが、足のけがをして予想もしなかった不調に陥った。相撲が単調となり、力の入らない腰では勝ち越すことすらままならない場所が続く。
以前注目された引きつけの強さは影をひそめて、もろい琴欧州に人気も次第に薄れてきていた。
そんな中、今場所はもし負け越せば大関転落の危機に立たされていた。

ところがどうだろう、初日からどんどん勝ち進み、今日12日目を終わったところでただ一人の全勝となり、星2つの差をつけて初優勝目前の位置に立った。今日と昨日2横綱をなぎ倒し琴欧州の顔からは笑顔がはちきれている。この2年間殆ど笑顔が見えなかったのに、今場所の琴欧州は相撲の後本当によく笑う。それもそのはず、全く歯が立たなかった朝青龍白鵬に対して堂々の相撲で勝ったからです。

いったい何が彼をここまで変身させたのか?日ごとの相撲の中でどんどん強くなっている感じがする。痛めていた足にはまだテーピングがされており、今場所急に足の状態が良くなったとは思えない。しかし言えることは腰にしっかり力が入るから対戦相手に組みつき、まわしを引いて引き付けて寄り切る本来の琴欧州の相撲が取れるようになったことです。長い体と腕を伸ばせば、相手がまだまわしに手がかからない状態でも先にまわしが持てる。ひきつける力については、レスリングの選手時代に鍛えた腕力がものを言う。・・・こうして、彼の長所を生かした相撲の取り方が漸く彼自身の強さを目覚めさせたと言えるでしょう。

後3日の取り組みの中で、どういう相撲を取るのか?ますます楽しみになるが、すでに横綱2人を倒した琴欧州にとっては戦い易い相手であり、ここまでくれば全勝優勝も考えられる。
ぜひ、集中力を発揮し、あと3番をしっかりものにして初優勝・全勝優勝を果たして欲しいと思う。

琴欧州が強くなれば、二人の横綱を追う次の力士として、有力な綱候補が出現することになる。もし今場所優勝するとしても、来場所もまた勝ち続けるのはそう簡単ではない。今度は白鵬・朝青竜も取り方を考えて来るから勝ち続けることは並大抵のことではない。本当の強さを身に付ける為には、もっともっと勝負に対する厳しい姿勢を身に付けなければならないと思う。

しかし、今場所はまさかと驚く琴欧州の復活により面白い場所になったことは間違いない。
ブルガリアに居る琴欧州の父母は、さぞ毎日の相撲ぶりに歓喜の声を上げておられるに違いない。
よくぞ復活した。琴欧州、がんばれ!私も改めて応援の声を上げてみました。