競馬の祭典、ダービーを楽しむ。

no-mu2008-06-01


今日は第76回日本ダービーです。
もし、第1回から観て知っている人ならいったいいくつになるのか?きっとその当時はテレビ放送はおろかラジオ放送もなかっただろう。競馬場に行ける人もそんなに多くはなかっただろうし、今のように娯楽の一つとしてではなく軍事的な役割も強く影響があるものであったろう。当時は軍馬として、多くの馬が戦に連れて行かれましたから・・・
イギリスなどでは、何百年も前から競馬が貴族により楽しまれてきた歴史があるようですが、日本の場合はそういった歴史はなかった。牛や馬は大事な農業家畜であり戦時における軍事的な用の為に供されてきた。
しかし現在、日本の競馬は庶民の娯楽の中でも大きく定着した。事業としてもJRAは大きな収益をあげる数少ない公認「賭けごと」として楽しまれている。地方競馬がすたる中で、中央競馬は不況になるほど繁盛する?というから農林省はずいぶん良い目をしている。その事業独占により大きな収益財源を独り占めしている。

ところで、普段競馬を楽しむ人でも、このダービーだけはどこかその楽しみの重みが違うことを知っている。何百とある競争のレイティングで、ダービーがG1 の最高峰であることは誰もが認める。競走馬として出走する時、オーナーは必ず「夢」を持って自らの愛馬を送り出すという。「何時か、ダービーに出走し、勝てる馬になって欲しい」と。

H6年日本で競走馬として育てられたサラブレッドの頭数8150頭。そのうちから好成績を残して今日のダービーに出走できること自体が至難の業です。
そして、ダービーに勝つためには最高の状態に仕上げてレースに臨まなければ勝つことは出来ない。しかも、レースで運に恵まれて馬群を捌いて4コーナーでは先頭集団に取り付いていること、直線では他馬との競り合いの中で持てるパワーを全開して競り勝つ能力が要求される。
こうして考えると、単に能力があるだけではダービーを制することは出来ない。本番のダービーに出走するからには18頭の全馬が、最高の仕上げをほどこされて出走する。それでも、人間がいくら良かれと考えて調教をしてきても、馬には過酷するる仕上げで体調を崩すことはしばしば起こるという。
馬は人間の言葉を話すことは出来ないし、調教をする係員や厩務員の願いをいちいち慮るわけではない。要するに、人間の思いと馬の気持ちは別です。ただ、こうすれば強くなる、こう仕上げれば勝負になるだろうと予測された調教方法で厩舎あげての世話を行い、今日のダービーに出走させる。

我々ファンは、ダービーの当日に予想紙に目を通して各々の思いで馬券を購入しレースを楽しむことになるが、本当はここに来るまでにもっと長ーい道のりでこのレースに向けた準備を戦ってきたのではないか?と想像することが出来る。
昨日、何時もの様に手洗い場で夜に歯を磨いていてふと気がついたのです。・・・そうか、ダービーの係の厩務員や調教師・騎手などもこうして歯を磨いているに違いない。(おん馬さんは歯を磨きませんが)磨きながら何を考えているかな?明日のレースをどう戦うか?気持ちの上でどんなことに気を付けているのか?などを考えた。
そうすると、競馬の楽しみたんに1分から3分のレースの中にあるだけではなく実はこうした長ーい準備過程の中でも存在すると思えたのです。

昔競馬をやり始めたころに、月曜日から週間ブックなどを購入しては週末のレースの予想に明け暮れていたころがありました。あのころは、どっぷり競馬の世界にはまり競馬四季報なども身近に於いて出走する馬たちのことを知ろうと情報を集めたものです。そうした努力が、自分の予想の確立を上げたとは思いませんが、競馬の奥深さを知る体験になったことは事実です。競走馬を生まれた時から育てる牧場や、調教する過程での努力はなかなか我々には判らない。しかし、そうした多くの人の手で名馬が育てられ、より強い馬づくりの為にたゆまない努力を続けている人達のことを思う。それが競馬の楽しみの厚みを作っているように思える。

もとより競馬は、賭けごとである限り節度を持った楽しみ方を身につけないと深みにはまるリスクがある。責任ある職に就いている人達のいくらかが、多額の借金を競馬で背負って自分の将来をダメにしてしまう話をよく耳にすることがある。
楽しみを健全なものとして継続する為には、強い自己制御が必要となり、それを身に付けることは簡単ではない。
私も、競馬でかなりのお金を「人参代」として供しているから、もしそのお金をためていれば他に有効に使えたのに?と想像することもある。でも、最終的には私はそれで良かったと思っている。自らが楽しんでお金をつぎ込んだことを、もし後悔するくらいなら始めから止めておいた方が良い。

これからも私は競馬を楽しみ、ダービーを生きている限り楽しむだろう。ダービーで予想を的中させることは容易ではないが、今回も的中を目指して馬券を購入した。
恐らくはずれることになる確率の方が高いだろうが、たまに自分と同じ予想をしている新聞記事を目にすると「ほう、この人も俺と同じ狙いだ」と感心したりする。

後3時間半で、ダービーは始まります。多くの人の希望と願いを乗せて、18頭の選ばれた馬たちがゴール目指して駆けだすのです。
きっと4コーナーを回ってゴール前では声援の声を私もテレビに向かってあげていることでしょう。
「がんばれ、行けー!」($・・)/~~~・・・果たして、私の応援する6番モンテクリスエスは、先頭のゴールを切るのでしょうか?福永君、頼むで。

勝負の運は、神のみぞ知る!です。