自己米の食用流通のショックと日本社会。

no-mu2008-09-12

カビや農薬などが確認されている事故米。これらは、工業用に転用されることは承認されているが、それが食用に恣意的に転用され、業者が利ザヤを稼いでいたという。食用米として販売すれば、事故米の値段よりは儲けが増える・・・こうした背景には、コメ販売業者の消費者を騙してまでも利益を得ようとする姿勢があり、この結果健康被害などが起きた場合の責任問題も当然含まれてくるだろう。

昨年、赤福は売れ残った商品を再び原料に混ぜて再販売を繰り返していたことが発覚し、世間からヒンシュクを買った。それから1年、店頭では赤福が売られているが、以前ほどの販売量には至らないはずだ。また、北海道の精肉店は牛ミンチと偽って豚肉や鶏肉等を混ぜ合わせた肉をミンチにして販売をしていた。肉の色を増すためには本来混入してはならない血液などを混入させて装っていたというから、その魂胆は悪質であった。
長年、こうした偽装工作がばれずに販売されていたということは、消費者はずっと偽物を食べさせられていたわけです。
こうした食の管理がすこぶる杜撰であることが暴かれ、悪徳業者が摘発されたにもかかわらず、またまた同じような食販売業者による不正が明るみに出たことになる。

報道では、病院や施設、学校給食にまでこうした事故米が混入されていたという。不特定多数の子供たちや国民がしこたまこうした事故米を知らない間に食わせられていたことは驚くべきことであり腹立たしいことだ。販売責任者並びにその販売ルートに関係した関係者の厳罰が求められるが、なぜ日本ではこうした事件が後を絶たないのか?疑問に思う。
中国の毒入り餃子が発覚した時、多くの日本人は「中国の食の管理は極めて杜撰」と怒った。
中国製の食品は、「買いたくない」と思っている人も多いはずだ。
しかし、日本製の食品もまた安心して食するに値しないことは、この事件で明らかになった。

いったい何を信じ、何を頼りに食を確保したら良いのか?分からなくなった・・・こう不安に駆られている人は多いはずだ。
言えることは、自分の目で確かめ、安全だと確認できたもの以外は食べないということが守られれば切り抜けられるかもしれない。しかし、そうしたストイックな生活はだれもが押しとおせるものではなかろう。

政府や管轄省庁に取り組んでほしいことは山とあるが、はたして彼ら官僚組織の働きで不正はなくなるのだろうか?
もっと別の新しい監視組織が作られる必要があるかもしれない。
市民組織、消費者組織などどのような形であれ現状の腐りきった組織を改革するものであれば歓迎したい。

自民党の総裁選びには飽き飽きする。…2代連続で政権を投げ出した政党になぜまた首相の席を明け渡す必要があろう?5人の候補者をマスコミは盛んに取り上げているがこうした茶番劇は有害であると言いたい。
福田首相が政権投げ出しを宣言した日の新聞に「自民党大政奉還により政権を野党第1党に差し出すのが妥当」と意見されていたのを思い出す。政権を続ける自信を失い、担当を降りる首班が出たのなら、当然その政権は国民の前に審判を請うべきであると思う。ところが、次の政権を同じ自民党の中から捻出しようという魂胆は見え見え。賢明な国民は、こうしたタライ回しを決して許さないことを示すべきだと思う。
政治家に対してあまりにも寛大すぎる有権者、政治家たちになめられている。