しつこい梅雨と短い夏。

8月に入ってまだ、曇り空と雨が止みません。
これだけ長引いた梅雨は、近年覚えがない。この異常な気象は、日本の農作物にも多大な悪影響を与えており、北海道のジャガイモ畑で深刻な成長異常を来しているニュースを先日聞いた。恐らく、自然作物たる性格から、天候異変はその年の作物の出来高に直結するから、当然農業の生産性は低下するだろう。そこから食品の値上がりに行き着くことは容易に想像できる。また、海外製品などの急増、輸入食品の安全性をどう確保するか?等様々な派生問題が起きることだろう。

地球の自然環境の中で生きる人間。その年々の気象状況変化を受けて、食糧事情も影響を受けざるを得ない。
地球上で、満足に食料を口にすることが出来ない人々が少なからず存在する中で、日本では飢餓による社会問題はなりを潜めている様に思える。

街のコンビニや販売店等では、食料品は所狭しと展示販売されているが、だからといって豊かな社会であるとは誰も思ってはいないだろう。

商品を購入するためには、消費者に要求される価格で商品を手に入れねばならず、お金がなければ必要なものを手に入れることが出来ない。
しかるに、社会にどれだけ食料品が溢れている様に見えても、実際には食べるものに事欠き、必要な栄養を確保できず、不健康な食生活を余儀なくされている人達がいる。

近年、失業率が6%に近づく勢いで増加し、なおかつ有効求人倍率が低下して、働きたくても仕事にありつけない人達が街に溢れているという。
彼らは失業保険期間の90日から150日を経過して、何らかの職にありつけるケースは希であり、やがて生活保護受給に行き着かざるを得ない。
20代や30代の若者が生活保護を受けていること、このことは一体何を示しているのか?体力があり、心身が健康であるはずの労働力が社会で役割を果たすことなく、社会の最終救済措置により生活を続けざるを得ない現実は、どう考えても普通じゃない。

こうした事態は、その人自身にいくら『自己責任』のレッテルを貼っても、問題の解決をその人自身が見つけることは難しい。この論理の結末は、自殺や犯罪の増加を伴い、社会的病理現象を増大させることとなる。

こうした近年の日本の現状は、お隣の韓国においてもよく似た形で進行しているらしい。韓国では、大学進学率が高まり(大学進学率は80%以上)低所得の人達も競って子供達に大学教育を受けさせたが、就職においては極めて厳しい現実が待っているという。成績優秀な約5%の人達は大企業や役人に慣れるが、殆どの人達は中小企業での就職となる。ところがその中小企業では、非正規労働という形で若者を採用する傾向が近年増加し、待遇面でも正規労働者の半分程度しか収入が保証されていないという。・・・つまり、大学を出ても、まともな就職口は見つからず、非正規労働で食いつなぐ事を余儀なくされている現実があるという。此では、教育につぎ込んだ費用を(殆どは借金により大学に入る)返済していくことも出来ず、奨学金の返済を滞らせるケースが社会問題化している。

『88万ウォン世代』の著者であるウ ソックン(禹晰熏)さんは、先日紹介されていた新聞紙上のインタビューの中で次の様に語っている。
「若い人達の非正規雇用では、同じ仕事でも正規雇用の半分に満たない。私の試算では非正規雇用全体の平均月収は約120万ウォン(9万強)だが、20代はその7割強の88万ウォン(7万弱)ぐらいなので、私は彼らを”88ウォン世代”と名付けた。“88”は皮肉にもソウル五輪の開催年という“栄光の数字”だけど、この収入では都市部なら暮らしていけない。物価高のソウルだと単身者用アパートの家賃が月40万から50万ウォンするから、親と同居しなければ食べていけないのが実情だ。非正規雇用では就職も出来ず、30歳になっても親から離れられない。今の20代や10代は、韓国経済の高度成長期に蓄えられた親の資産に寄りかかる形で食いつないでいる」

どうやら、お隣の国韓国では日本以上の経済危機が進行しているようです。その影響で、二人に一人が非正規労働を強いられ劣悪な労働条件の下で働いている。

こうした社会状態が長引けば、必ず社会の土台がきしみだし様々な不安定要素を浮き彫りにするだろうし、一握りの高所得を独占する階層とそれ以外の労働者との意識的な乖離は急速に進むことが考えられる。

今月末の総選挙で、果たして国民は政治の大きな転換を選択することになるのか?それとも、旧態依然の政治家達が生き延びることになるのか?
政治の転換点に立っていることは確かであろう。
しかし、新しい政治の転換のためには、今虐げられ発言の機会を閉じている人達の声と意向がもっと反映される運動の中でこそ、始めて次代の社会の仕組みを明らかに出来るのではないかと思う。

この長雨と曇天の影響か?朝顔たちの成長と活動が緩慢なようです。



すっかり出来上がりました、朝顔葉っぱのエコカーテン!
エアコンなんて、要りません。