ついに第7戦までもつれた2011年の日本シリーズ

中日とソフトバンクの対決は、結局最終戦までもつれる展開となった。
こうなったことについて、どちらのファンの味方というわけじゃなく、野球を好きなものとしては、好都合だ。
最後まで、しのぎを削って戦う両チームに、勝ち負けを通り越したプロスポーツとしての面白さを感じる。

今回のシリーズでは、少し奇妙な現象がある。
言われているように、ホームグランドのチームが勝てない。勝つのは後先攻のビジターチームが勝っており、これは大変興味深い。

どちらのチームも、リーグ戦ではもちろん本拠地で好成績を残しており、熱烈なファンが後押しする球場では有利に試合が進められることは間違いない。・・・なのに、このシリーズでは、ここまで何故そのセオリーが裏切られてきたのか?
一つには、先に点を取ってリードしている方がそのまま投手が好投して相手打線を封じる展開になったことがあげられる。
第1戦と第2戦は、抑えの出来が試合の明暗を分けたことがあげられる。延長戦になって、最後に一発が出て勝負が決まった試合展開になり、特に中日の場合そうした試合には粘り強い。
 
 ソフトバンクは、どちらかと言えば足をからめて前半から相手投手を攻め立て、リードをして後は抑えの投手が相手の反撃を断つ戦法だ。第3戦から5戦まではすべて先攻のソフトバンクが先取点を挙げて逃げ切っている。
破壊力を比較すれば、中日よりソフトバンクの方が力が上回っているようにも思えるが、しかしこの短期決戦で必ず力通りに試合が決まるかと言えば、そうでもない。

 ソフトバンクはシリーズまで圧倒的な勝率で勝ちあがり、全チームに勝ち越している。当然ソフトバンク有利の前評判が高かったが実際の試合展開ではここまで3勝3敗の五分、相撲で言えば互角の力相撲となった。

 今日の最終決戦、結果がどうなるか?
ポイントは、先発投手の出来にかかるだろう。
先に味方が点を取り、なおかつ先発投手が持ち味を出して相手打線を後半まで抑え切り、最後の7回から9回は最も調子の良いピッチャーに抑えを託していけば、恐らく勝利はつかめるだろう。総力戦になるのでマウンドに立つ投手としてはハートの強い投手が有利だが、これはやってみなければ分からない。
杉内と山井が予想されているが、どちらの投手も初回が肝心。
立ち上がりに打ち込まれると、その後ずるずる相手の攻撃に引きづり込まれる可能性が高まるから、どう初回からの攻撃をかわすか?にも興味が注がれることになるだろう。

昨日の試合を見ていて思ったが、選手は勿論緊張もしているだろうがミスのない好プレーが続出する好試合になっていた。拍手をしたくなるようなプレーが繰り返されると、見る方も気が抜けない。
恐らく、最終戦はエラーなどのミスが傷口を広げる要因につながるので、相手にミスを誘う戦術を仕掛ける監督の采配もまた興味津々となる。
 結果的にミスをするから、わざとらしくエラーをさせるというと語弊があるが、普段通りのセオリー通りにプレーが出来なくなったその時が、両チームにとって一番のピンチと言えようか?
(昨日、ソフトバンクは後半にバントの失敗をしてダブルプレーのシーンがあった。ああいうミスは、試合を大きく左右する)

 私は中日ファンですが、どちらが頂点経つことになっても、ここまで野球を楽しませてくれた選手たちに、大きなエールを送りたい気持ちです。
今年は3・11の大津波福島原発放射能汚染により、社会を暗くする天災と人災(?)が日本を席巻し、日本人の笑顔が奪われてしまったような年でした。
しかし、スポーツが持っている力は本当に大きい。
観る者に、時を忘れて技と熱意に目を奪われ、感動をもたらす。
ここには、理屈ではなくして、ストレートに伝わってくる人間としての喜びがあります。

最後に試合の勝敗予想ですが、
私は、3対2で、中日が勝つ!?と予想します。