国立循環器病センター(大阪府吹田市)にて、5月21に入院し、NGOの支援を受けて心臓病の治療を受けた二人のイラクの子供が、無事手術が成功した退院することとなった。このニュースは、昨今イラク問題で暗いニュースが多かっただけに一条の光を放っている。…二人の病気は、それぞれ違うが・・・5歳のサジャド・アルサライ君は二つある動脈が入れ替わる「完全大血管転位症」、2歳のアリア・アルサリヒちゃんは心室に穴が開いている「ファロー四徴症」・・・二人とも、来日した頃は、10M歩くのもままならない体で、重い心臓病と診断された。しかし、日本の進んだ医療治療により二人の病状は術後改善し、無事退院を迎えることとなった。
今イラクでは、二人の子供たちのように重い心臓病などで手当てを待っている子どもたちは1000人居ると言われている。
すでに走り回ることが出来るようになったサジャド君、アルサリヒちゃんがイラクに帰り元気に過ごすことを願いたいが、このニュースを聞いてつくづく思うのです。
本当のイラク復興支援とは何なのか?という問題に答えていると思う。
現在の日本の医療技術を屈指すれば、遅れているイラクの医療を側面から支援する様々な活動が可能なのです。・・・必要ならば、今回のように日本にきて手術や先進治療を行うことも出来るし、医療チームをイラクに派遣して現地での医療活動を増やすことも可能なはずです。
大切なことは、軍事部隊を派遣したりすることではなく、本当に困っている医療、生活環境などの支援などの為に人と資材・資金などを送り込むことです。
一体、大人たちはイラクでどれだけの軍事的な費用を浪費させているのか?
同胞を殺傷させ、お互いが傷つけあって何の利益があるのか?よく考えてもらいたい。
特に、今回のように、医療支援により救済される子供達は、きっとその後日本との平和的な協調の懸け橋となるということです。
この可能な支援を怠れば、死が待っているだけです。彼らの前には、もはや自分たちだけで病気を治し回復することが困難な状況にあるのです。
今こそ、再確認をしていきたい。
日本がやらねばならないイラク支援とは、こうした医療支援、教育の為の支援、生活などの関連項目の支援にあります。
こうしたイラクの人たちにとって切実な問題に対する支援を、率先して実施することが急務です。・・・これらの支援活動は、今政府が行っている米軍の後方支援とは意味が違う。ましてや、武装した自衛隊を派遣するどんな理由もない。イラクで必要なことは戦闘行為ではない。
本当に必要とされている支援を行え、と言いたい。また、せっかく治療して本国に帰っても、国内で戦闘が続発し、危険がいっぱいの現状では安心して子供を育てることも出来ない。
大人たちが、宗派を隔てて未だ争っているが、何時までこんなことでイラク国内を疲弊させていくのか?
どれだけの犠牲を増やすことが続いても、憎しみの連鎖が尾を引くだけでは双方の殺傷行為はすこぶる無意味です。
早期に、イラク国内の争いを止めること、このことの為にすべての勢力は意思一致をして戦闘行為やテロ行為を終息させるべきです。
もはや、躊躇はいらない。
まず平和をもたらせること、子供たちやお年寄り・障害を持つ人々が安心して暮らせる国を再建することです。
この平和再建には、どんな近代兵器も武装も必要がない。
全ての危険な武器を一掃することが平和につながる。