no33誰が受けるのか?新介護予防プランの作成。

いよいよ、今日から介護保険の改正スタートです。
スタートする”包括支援センター”がどこまでイニシアティブを発揮して新制度を定着させてゆくのかお手並み拝見といきたいのですが、現実は、多少の混乱が待ち構えているようです。
とりわけ、4月分からの介護予防プラン作成が、本当にスムースに運んでゆく事が出来るのかどうか?特に都市部では、民間企業が、スムースに介護予防計画を受けてゆくのかどうか?きわめて危うい状況にある。・・・地域での受諾状況を見回してみると、既に受諾を拒否する事業所が増えており、赤字経営とはっきりしている介護予防計画作成は出来ないとする声がどんどん増えているようです。・・・現実に、私が所属する事業所でも「無理に介護予防プランを受けるな!」という指示が出されており今後こうした傾向は増えると考えられる。

考えてみれば、今回の介護予防の新制度は、増大する介護保険利用者をこれ以上増やさないため考え出された制度です。特に軽介護度の利用者に対して、介護度悪化を防止する観点からのメニュウを増やし相応しいリハビリや口腔ケアーなどの新サービスも出来ました。また、利用者の状態向上に寄与しないと考えられる生活援助等の見直しと請負家事の廃止も目論まれており、ただ家事を代行するだけの生活援助プランは見直されてゆくようです。(生活援助については、介護保険では90分が最大の時間となり、それ以上のサービス提供に付いては報酬が支払われないようになります。)新介護予防訪問介護では、”月単位の報酬単価となり”週1回程度から、最大2回以上のプランを組む事が可能です。プランの中では、今までより緻密に何のためのサービスなのか?どんな形で生活支援を行い?どういう効果を見越すのか?またその結果評価として3ヵ月後と、6ヶ月ごとに見直しをすることになります。このプランを民間ケアマネが下請けするとしても、包括の主任ケアマネや看護師との調整、サービス事業所との担当者会議など遣ることはふんだんにあり大変なのです。一言で言って、これを月400単位の報酬単価と設定する根拠は何でしょうか?
誰も引き合わない仕事はしたくない。ボランティアで出来る人が有れば良いけれど、そんな暇な人は皆目居ないのです。

この制度、下手をすれば開始早々から大混乱となる可能性があります。だって、プランを作る事業所がどんどん撤退すれば、毎月加速度的に増えてくる介護予防認定の利用者のプランを作れなくなるからです。・・・おまけに、一人8件までという沸くが決められているので、せっかく”遣りましょう”と勇気を出しているケアマネが出てきても焼け石に水の状態となります。・・・ほとほと、考えれば考えるほど、不安なスタートとなるようです?
・・・しかし、こうした新しい介護予防の居宅介護支援が400単位という安い報酬体系に組み込まれ、アセツメントや予防計画の量が増えているという現実の問題を如何改善するのか?
今までの書式から一新されるので新たに手書きなどで作り直す必要があり手間がかかるのです。ちなみに、契約自体は、包括支援センターが執り行うことになりますが、プラン受諾による、包括センターとの受諾契約が必要となります。
私も、一人の利用者さんの予防プランを作成中ですが、久しぶりの手書きプランで時間も手間も余計にかかり大変です。会社は、赤字の仕事だからソフトの設営も見合わせようとしており、こうなるとますます仕事がやりにくくなります。
何やかんやで、結局ケアマネだけが儲からないしんどい仕事を背負わなければならないようになって、会社からは「無理にやるな!」と水をかけられ、これでは踏んだり蹴ったりです。一番大きな問題は、このまま受諾事業所が増えないままだと、都市部での介護予防プランが滞る心配があります。包括支援センターでは、プラン造りのためのケアマネジャーを置く様子も見られないので、一体、この儲からない仕事は誰が遣るんだろうと思います。
この問題の結論として、厚生省は、必要なプラン作成に関わる費用を居宅介護支援事業所に支払うべきであり、責任ある良いプラン作成に対してまともな報酬対価に改めるべきだと思います。この制度開始に当たり、もう一度ケアマネサイドから大きな声をあげて、今回の改正における改善要求を挙げてゆきたいと思うのです。(記述、H18年4月。)