no34まだまだ日本の介護保険制度は”おぼこい”?

高齢者らの在宅介護を担う65歳以上の介護者の約3割が、「死んでしまいたい」と感じたことがあるという。
何故このように多くの人が、つらいのだろうか?日本の在宅介護の現状には大きな問題があるように思える。・・・このアンケートは昨年厚生労働省東海大学の研究班に委託したデータだが、5万人に配布し約8500人の回答により明らかになった。

分析結果を纏めると・・・問1・死んでしまいたいと感じることがあるか・・・65歳以上では29〜32%が「ある」「少しある」と回答。64歳以下では17〜22%だったのに比べて10ポイントほど高かった。介護者の半数以上は1人で介護をしていること、被介護者の平均年齢も約9割が65歳を超えている事などを考えると、今日の”老老介護”の実態は心理面において厳しいものが在ることが判る。質問にはSDSと呼ばれるうつ状態の自己診断表も含められており、結果から判定するとうつ状態と疑われるの人は平均23%いた。之は4人に一人の割合だ。65歳から74歳の場合、27%となっており最も高い。75歳から84歳と、35歳から44歳が26%となっており「すべてにおいて面倒に感じる人」の割合が、68%いたという。心身の不調のため医師の治療を受けている介護者の割合は、64歳以下では3から5割台で65歳を超えると8から9割台と高まる。こうした現状を踏まえて研究班は、介護をする側の取り組みとして、基礎的な教育の実施と地域精神医療との連携の必要性を訴えている。介護がまだまだ家族の抱え込みと言う形で取り組まれており、介護保険などの公的なサービスがうまく連携しているところまでにはいっていないことが懸念される。例えば、各地域において、精神医療の制度がどれだけ準備されているか?と言う問題もある。

 ケアマネジャーが相談したくても、なかなかそうした専門医と話が出来ないのが現状である。何処にそうした専門的な相談機関があるのか?といった医療の基本情報もまた不足していることが明らかになる。
2000年の介護保険鳴り物入りで社会に登場して依頼、多くのお年寄りが公的なサービスを介護面で受けられるようになった事は確かにいえる。しかし、まだまだ十分なものではなく、精神的なサポートも不足している。
・・・こうした課題を、全て現状のケアマネジャーに押し付けても、担当するケアマネジャーが自滅するだけであると思う。もっと、社会全体で支えあうシステム作りが大切ではなかろうか?この意味では、もっと様々なレベルでのコミュニケーションがもたれ、如何すれば良いのか?を共に考える場が作られてゆかねばと思います。
社会自体の中に、まだまだ介護と言う問題を重層的にサポートする仕組みがはかられていないと思うのです。この意味では、まだまだ日本の介護制度は”おぼこい”のでは?と思います。
もっと知恵を絞ればうまい方法楽しいやり方があると思う。みんなが加齢を自分の問題として考え、援助が必要な高齢者を支える方法を模索する事から、この問題の解決の道があると思うのです。近年、自治体レベルや地域レベルでもこうした問題に反応する様々な取り組みが始まっています。まだまだ、これからの課題が満席していますが、諦めず出来ることをお互いが遣ってゆければと思います。