no15文部科学省の10日付教育白書に思う

全国の公立学校教員の”心の病”にかかるデーターが公表されている。興味深いものなので、ぜひ今度は、ケアマネに付いても遣って頂きたいものだ。発表によると、
1・全休職者の数は、6304人。その中で、半分以上が精神性疾患であること。
2・この10年精神性疾患で休職する数が増え続けており、94年度の1188人から、2・7倍3194人となったこと。これは、全教員の290人に一人の割合であること。
3・実際に心の悩みを持っている教員で、休職せずに通院しているもの、まだカウンセラーも受けていないものは、相当数に上るのではないかと言われている。確かに休職にまでいたっている重傷者は、パーセンテージから言えば、0・35%だが、患者という概念でいえば、治療を必要とする先生は、その何十倍もいるのではないか?と懸念されていること。以上のデーターを読んでみると、いかに現在の学校の先生たちが、悩んでいるかがはっきりと浮き彫りになっている。民間の先生たちを含めれば、この数がもっと跳ね上がることは言うまでもないし、子供たちと、親と、そして同僚の教師との人間関係の中で、もがいている日本の教師たちの一面が少し見えてきたように思える。教育という子供たちと触れ合う現場で、いろいろな矛盾が犇いており、先生自身も悲鳴を上げている。真面目に取り組もうとする先生ほど、傷付き自信を失う度合いも強いという。
このように、教育の現場でも、”心の病”は深刻である。
一方、翻って、介護の現場はどうか?先ほども触れたように、そのデーターが無いので何とも言えないが、介護職員もまた、大きなストレスの元で仕事をしている。相手は、高齢者であり、障害者であることが相違点だが、いずれも人間の生活を支援し、支えてゆくという意味では、似ている。高齢者を取り巻く環境は、ますます厳しくなってくるはずであり、年金問題に現れているように、高齢者の生活資金はどんどん減ってゆくだろう。また、高齢に伴う、様々な病気がいつ発症するか判らないし、精神的な高齢者の問題は深い。子供たちの場合は、これから成長してゆく活力が成長の源泉となる。しかし、高齢者の場合は、若返ることは無い。如何に老化と旨く付き合ってゆくかがテーマとなる。障害を持った者や、アルツハイマー症などの認知障害を受けている人たちにとっては、健常者にはなかなか理解出来ないストレスが存在し、それが、両者の相互理解を困難にします。
ケアマネの中では、可也の人がその業務の多忙さに耐えられず、転職する人がいます。(離職率を調べられたら、可也の確率になると思います。)また、その業務に似合うだけの給料も出せない、給付算定費の制約があることも事実です。事業者サイドから見れば、居宅介護支援の算定が、現状のままでは、とても、ケアマネの給料を引き上げるわけには行かないのでしょう。つまるところ、居宅介護支援では、利益に繋がらない、という厳然とした事実があるのです。この業務を利益誘導の業務に転化すれば、中身が骨抜きになります。民間事業者の本音は、自由に利益誘導したいと要望しているのですが、介護保険法は、それを許すはずが無いのです。それを許せば、保険の財政は破綻するからです。結局、ケアマネが企業と、法律の間に入って、どちらからも引っ張り回され、行き所が無くなっている現状があります。真面目に、仕事を遣ってゆこうとすればするほど、ケアマネの”心が病んでしまう”現実があるのです。この現実は、教育の場面での教師の立場とリンクするのです。今自分が言えることは、少しでも、自分の周りの職場では、互いに声賭けをして、悩みを聞きあう職場にしたいと念じています。仕事で、お互いを責め合うようなことは避けたい。・・・こう、考えつつ、毎日の仕事にいそしんでいる今日この頃です。