no11痴呆症のお年よりは、何処で生きていけるのか?

本日、職場では、月始めの前月実績の確認作業を進めてゆく仕事が待っています。又、今月の更新予定の方のリストから、代行申請をお手伝いする作業も待っています。



・・・それに加えて、前月訪問者の中で、経過記録や、連絡事項が処理できていない方の分の、事務作業があり、結構あれこれと仕事がある時期でもあります。



やっと、定期的な月末訪問が済んでも、ほっとしている間もなく、今度は、膨大な事務作業が待っているのです。



もちろん、一日や二日は、サボる事も出来ます・・・が、後が大変です。先月、臨時で出勤した分の休みも、代休で取る事ができるのですが、何時に休むのか予定をたてる必要があります。



そんなこんなで、これからお話したいことは、痴呆性利用者のことです。

先月、他の自治体から編入された要介護2の女性利用者”Kさん”をお世話いたしました。ディサービスを利用されて順調にサービス提供が行われていたのですが、ご家族のほうで、介護疲れを急速に訴えられ、当初、息子さんがお母さんの老後を見るはずでしたが、あまりの介護疲れにて、一月も立たぬ間に、又、別の娘さん宅へ移ってゆかれました。



そして、10日ほどして、今度は、行かれた娘さんが介護疲れで動けなくなり、≪腰痛等起こされたようです)その方のお姉さんが東京から急遽応援に来られる事態となったことと、このままではそのお姉さんも戻らねばならないので、早く入所できる施設を見つけて欲しいとの依頼が、事業所へ入りました。・・・付け加えると、いままでも、”Kさん”は、介護の場所を転々とされております。何処へ行っても、お世話する者が疲れてしまい、次々にまるで移動する放牧民のように、棲家を移されてきていました。



もう、どうしようもない状況らしく、何処でも入れるところなら、選ばない。家族親族、介護出来る者が総動員してもう見れる人がいないこと。本人も、家族の心労が判るのか、最近、だんだん本当に寝込んでしまう事が多くなっていること(一月前までは、元気に徘徊をしておられた)このような、依頼を聞いて、自分たち、ケアマネジャーも途方にくれてしまいます。



私どもの事業所は、施設を持っておりません。

いろいろ、知り合いの施設を問い合わしても、痴呆を持つ利用者には、なかなか門戸が開きません。

今日も、たくさんの施設に電話いたしましたが、何処も、すぐ入れるところは無く、見通しは未だ立っておりません。夕方になると、ため息が出ます・・・。



明日も、普段の業務をこなしつつ、施設探しに時間を費やし無ければなりません。当てのない電話問い合わせをしながら、いつも、ケアマネの仕事の空しさを思うのです。



もう少し、インターネットや、いろいろな組織から、施設に入りたい人々を受け入れる方法は無いのかと・・・



ケアマネ任せで、無料で問い合わせの作業をしなくてはならないこと・・・これは、必要な作業ではあるけれども、”何故、いつも、ケアマネが施設探しを引き受けなければならないのか?”と、疑問に思う事があります。



もちろん、お役に立てることは嬉しいことなんですが、こういった、急な依頼を受けて、施設探しに取り組む自分の仕事に、やりきれない思いがあります。



”それは、ご家族で遣ってください”と下駄を預けることは簡単です。施設が見つからないことは、何もケアマネの責任ではないのです。



でも、ケアマネがいくら探しても見つからない施設を、家族さんが問い合わしても、これまた、成果のない探索で終わる作業になりそうです。その意味では、家族を支えて、援助する仕事は、私たち居宅介護を”生業”とするものにとっては、避けられないものです。・・・ただ、しつこいようですが、我々も、判らないのです。そして、時間が無いのです。50人という枠で、沢山の方のプランを進めてゆかねばなりません。一人の方に、仕事を留める事は出来ないので、成果が上がらなくて家族さんをがっかりさせてしまう事も多いのです。・・・ちょっと愚痴っぽくなりました!済みません!(-_-;)



日本は、これから、ますます、多くの痴呆性高齢者を抱える社会となるようです。今ですら、痴呆を持つご家族で、深刻な介護不安があちこちで起こっているのに、これがますます痴呆の人が増えてゆく事が明白なのです。・・・なんだか、末恐ろしい事になりそうです。



現在の痴呆高齢者対策では、とても、追いつかないのです。これでは、新聞をいつも賑わす、介護負担を理由とする虐待や、傷害事件は、減るはずが無いのです。何とか、社会全体で、この問題に対して、取り組んでゆく体制が今、求められていると思います。

ああ、明日は、”K”さんを受け入れてくれる施設が見つかれば良いのにな?



・・・こんな、希望を、胸に抱きつつ、暗くなりがちな自分の心を、しっかり休息させて、新たに、新鮮な気持ちで、仕事が出来れば?と願いつつ、今から家路につきます。(-_-;)