米大統領選挙の行方

no-mu2008-03-08

オバマクリントン民主党大統領候補の競り合いはまだ続いています。先日のオハイオミシシッピでのクリントン巻き返しで一度はオバマ優勢の報道が固まったかにみえたが、まだ分からない。フロリダなどの予備選代議員選出についても今後選び出される可能性があり、最終決着は4月以降も続くだろう。**今回の民主党の両候補の競り合いは、マスコミで大きく取り上げられ米国内だけではなく日本でも極めて注目された選挙戦となりつつある。民主党のどちらが指名されても、女性初あるいは黒人初の民主党候補となることから、この指名争いはますます過熱していると言えるでしょう。
もともと、米国の大統領選挙はお祭りムードで4年に一度盛り上がるものだが、今回の選挙は、不人気の共和党ブッシュ政権から民主党が奪回する大きな期待を有権者にふりまいている最中、民主党の候補が二人で競り合っていることから大きな注目を浴びることとなった。・・・当初、優勢だったクリントンオバマ候補の健闘に足をさらわれ、逆に今はオバマ候補がクリントンを追い詰めている形成となっている。どちらが民主党の候補となるのかが全く判らない混戦の中で、両者の主張の違いや政策の違いが判り辛いものになっていることも事実です。**共和党の候補と比較すれば、民主党の両候補は、イラク戦争からの早期の撤退を主張していることでそんなに大きな違いはない。
民主党大統領になれば、現在のイラク戦略は見直されて、深入りしている戦局を終息させる形に傾くことは間違いないだろう。また、国内政策においても、オバマ氏とクリントン氏がそんなに大きな別政策を掲げている訳ではない。
こんな風に冷静に見てみると、どちらが大統領候補になろうとあまり違った政治が繰り広げられるわけではないことが判る。むしろ、民主党の内部争いに付け込んで、共和党のマケイン候補が次の大統領の上げをかっさらう流れに傾くかもしれない。マスコミでは、盛んに民主党の候補者選びが長引けば長引くほど共和党に有利になることが報じられている。**果たして、米国は、次の大統領に誰を選ぶことになるのか?いやがうえでも注目が高まる。
しかし、大切なことは巨大な軍事力に任せてイラクでの戦争を強行させてきた米国が、今後世界において平和的な大国へと転換できるのかどうかです。このテーマは容易なことではなく、いくら美辞麗句を並べても、自国の安全、自国の繁栄のみを固執する政権はいつの間にか他国を侵略する軍事大国に転身してしまう。また、冷え切った国内経済をどう立て直し、失業者やサブプライムローンの焦げ付きなどのしわ寄せをどう是正するか?という難問が、新しい大統領候補に覆いかぶさっている。

派手な選挙戦のムードに載せられることなく、米大統領選挙で問われている政治の中身をしっかり見つめていきたい。