真剣に考えたい、20年30年後の日本の介護。

no-mu2008-07-26


今朝の朝日13面で、「老いる都市100万人のこれから」と題して、「介護はカネ次第 悲しい現実」の現状が特集されていた。これは主に関東の都市における高齢化と介護の問題がクローズアップされているが、特養などの施設が足らず在宅で順番待ちをしながら悩んでいる利用者と家族と支援者の苦悩が込められている。
政府は、施設を縮小して在宅ケアーを充実差す方針を上げているが、矛盾しているのが在宅サービスをどんどん切り縮めている事実です。サービスの絶対量を制限して、より多数の利用者に分配しようとしてもおのずと無理がかかるもの。ケアマネジャーがどんなに悩んでも、必要サービスの基準がどんどん上げてしまうので、サービスの切り縮めは止まることがない。

お年寄りが増え、要介護度が上がれば必要とされる支援量は増えるはず。ところが、家族や介護力がある人に対する保険利用をどんどん制限するから介護保険料をいくら天引きされてもそれに見合うサービスが使えない矛盾に突き当たる。

示されているデータでは、05年1163万人を数えた75歳以上のお年寄りが、20年後の25年には2166万人に増えるという。実に20年で約1千万人の増加となる。・・・このうち関東と大阪愛知福岡等の7都道府県が500万人増えると推測されている。

また、実際に介護が必要となるお年寄りは、7都道府県で現在の162万人から333万人に増えるとのこと。ざっと見て倍増となる。
このデータ一つを見ても、要介護で在宅で暮らす見込みがない人に対する施設建設が全く進んでおらず、約2万人が「介護難民」となるらしい。・・・介護度が重くなり、お金や家族が見つからない人たちの居所が無くなるわけです。優先順位を付けて入所して頂いても、必ず漏れる人が出る。その人達が在宅で支障なく暮らせるための方策が何も考えられていない!
これは制度を作る人たちだけの責任というより(もちろん、好い加減な学者さんや政治家も多いが・・・)私達社会の構成員=大人たちの問題でもある。
今後20年30年経てば、こうした危機的な状態が絶対来るにもかかわらず、根本的な解決策を見出せないでいる、この事が問題です。

ましてや、介護スタッフの待遇悪化により、多くの優秀な人材が介護から離れている現実。これではだれに介護のバトンを渡していけるのか未来が見えない。

今日の新聞に書かれている内容は、ほんの「介護の危機」のさわりだけだと思う。
でも、この現実に気付いている人がもっと増え、どうすれば良いのかを論議し、解決のための現実策を進めていかねばならないのです。

お金を持つ人たちだけが、安心して老後を送れる・・・こんな現実をどう考えますか?