今自分が就いている、介護の仕事の原点ってなんだろう?

no-mu2008-08-02


夏です。8月になり、だんだん暑さが人間の体力に影響を与えてきているのでは?水分を取り過ぎて食欲不振に陥ったり、夜になるとビールや冷たい飲み物を飲むけれど、日中は体に力が入らず夏バテ気味の人たちもいることでしょう。クーラーが必死に暑さに抵抗して室内を冷やしてみても、所詮夏は暑いものです。冷やそうと抵抗すればするほど地球温暖化を加速さすことになる。・・・むしろ、昔の人達がやったように、自然に任せて涼を取る方が得策です。団扇一本があれば、何もクーラーを作動ささなくても済む事って多いのです。
政治や産業の在り方を軌道修正することももちろん必要だけど、私たちの毎日の生活の中で修正できることも少なくない筈です。

さてさて、今からは表題にあるように自分の原点を語ってみたいです。お時間が許す方は、肩の力を抜いて聞いてみて下さいな?

・・・自分のことを話すのは、ちょっと恥ずかしく切り出しにくいものだけど、組合の掲示板なら話せるのでは?

今回、私の原点・・・つまり何故介護の仕事を選んだのか?を話してみたいです。
この語りが、読まれた方の何かプラス思考に繋がれば嬉しいです。
この投稿で、「これぐらいなら僕にも書ける・・・」と次に続いて話す人が出てくれば私の語りは次に繋がったことになります。
・・・さてさて、しっかり聞いて下さいね。

・・・もう15年以上前のことです。
当時私はまだ次に何の仕事を見つけるべきか?決断がつきませんでした。というのも、家族が生活していくためには継続して続けていける仕事を見つける必要があったのですが、なかなか40歳を過ぎると年齢制限で面接が通りません。
少々遠方でも、「これなら続けられる」という仕事ならやろうと思っておりました。でも、なかなか思うような仕事が見つからなかったのです。

そこで新聞広告で発見した「訪問入浴の介助員」募集という求人です。当時、介護保険がまだなかったし、各自治体では訪問入浴サービスを委託契約していたんです。
初めは、「訪問入浴ってなんだろう?」と思ってましたが、たぶんお年寄りに入浴してもらう仕事なんだから資格無しでも出来るんだ。それならおれでも出来る。ということになり、早速面接。当時の面接官に、「まじめにやってくれるなら来てくれんか?」と誘われ、早速その気になりました。

・・・それから半年、片道2時間をかけて訪問入浴の下積みが始まりました。暑い夏は、それこそ仕事で汗だくになり、利用者を運んだり浴槽を 4階の団地の上まで運んだりでまさしく体で勝負する肉体労働の毎日でした。でも、粘りだけは自信がありました。少々の辛さは覚悟していたので苦にならなかったのです。
・・・でも、スタッフの努力が、お年寄りたちの「ええ風呂やった!」という笑顔に繋がる仕事であることを実感し、だんだんそうした仕事にやりがいを感じるようになりました。
スタッフ間では3人チームで仕事をするので、人間関係がもつれたり喧嘩したり問題を起こす人達も居ましたが、どちらかと言うと私はあまり感情をむき出すような事をしませんでした。・・・しかし一度だけ、激しく怒ったことがありました。それはまだ駆け出しの頃に、経験あるベテラン看護師にねちねちがみがみ小言を云われ、運転中に切れそうになって大声を出したんです。「ぢゃがっしゃー、だまっとらんかぇ!」
普段、大人しい私に、どうしてこんなガラの悪い怒鳴り声が出せたのか?自分でも判りませんが、たぶん相手の方がより驚いただろうと推測されます。運転中の出来事でもあり、それで事故でも起これば大変です。同乗していたヘルパーさんは、どうなる事かとハラハラドキドキしていたようです。
そのことがあってから、その看護師は今までの様な小言を云わなくなったように思います。
事故も起こらず仕事を続けられたことを思えば、そうした下済み時代の経験が、今の自分を作ってきたようにも思い懐かしい思い出です。そのころ、一緒に仕事をしていた人たちが今頃どうしているのか?凄く懐かしいです。
恐らく、介護福祉士やケアマネジャーなどそれぞれ資格を持って責任ある仕事に就いているのではと思いますが、中には介護の仕事から離れていった人も知っている。
承知のように、介護の仕事は、介護保険が始まってからも賃金や待遇面では厳しい環境に置かれており、例え公的な資格を持っていてもみんな満足な職場環境にはなっていないことでしょう。
私の場合も、それから2回の会社の合併が続き、現在の「大会社」?(表向きは全国で一番規模が大きな介護事業者と云えばお判りでしょう)に入りました。・・・なんと、合併により給与が下げられたんですから。
一体何の為の合併なんでしょう?私達には判りません。
それから、殆ど給与は上げられず、責任だけはきっちりあれやこれやと押し付けられ、やれ拠点の責任者として業務命令を連発される毎日です。

介護の仕事を始めて15年がたち、今初心に帰って訪問入浴を始めたころを思い出しています。

汗だくになって浴槽を運び、少々の腰痛があっても「何くそ」と仕事を続けてきました。
努力のかいもあって、介護福祉士やケアマネジャーの資格も取りました。
いま、大きな屋台の会社の一員となり、人間としての温もりのある企業内の繋がりがどんどん消失しているように思います。ただ組織の指示や命令として、あれやこれやの業務命令が日常化し、毎月の利益をどれだけ残すのかばかりに焦点が当てられて、もっと大切な本物の介護を提供するための努力や指導がどこにもない現実が情けない今日この頃です。

「やっぱ、介護はカネや事業所の規模ではない。」
むしろ、小さくても こまわりの利く人の温かみが伝えあえる事業所に学ぶところは多い。これほんとですよ!
現場で携わっているスタッフを木目細かく声掛けし、悩んでいる者の相談に乗り、困難ケースに対して損得を抜きにプラス思考で取り組む・・・こうした事業所の理念が今こそ問われていると思うのです。

御成長、有難うございました。(@^^)/~~~