「私に帰る旅」岡部明美著を読んで。

no-mu2008-10-11

最近岡部さんの著作を読む機会があった。彼女は脳腫瘍・水頭症の病を経験し、現在はワークショップ・トレーナーとしてカウンセリング・文筆活動など全国各地で活躍されている。
http://anatase.net/
いわゆる西洋医学につきものの病気を敵にしてメスで癌を切り裂き、人間にとって悪者の部分を消滅させるために患者の体を結果的にはぼろぼろにしてしまっている治療法に大胆に異議申し立てをされている。
癌を悪者にするのではなくて、人間本来に備わっている自浄作用に注目し、体内の治癒力を高めることにスポットライトを当てて生きる事、このことにより、本当の意味でっ癌を治癒できるのではないか?こうしたことに気づき振り返るための情報をたくさん示してもらえる考え方です。

今や癌は、人間にとって最大の克服するべき病となりましたが、実は病気に至る過程において、生き方として癌を誘発するような生き方をしていなかったかどうか?こうした反省の中から、人間本来のストレスを持たない生き方への転換に気づくことの意義を作者は強調する。

この本の、”人生の再編集”の中で、こんなことが書かれていました。
「NK細胞、キラーT細胞、マクロファージといった免疫細胞たちが日夜総動員で癌細胞と戦っている姿を電子顕微鏡写真で見ることが出来る。からだは、まさに命がけであなたを守ろうとしている、治そうとしているんです。あなたの体は、こんなにも治りたがっているんですよ」というホリスティック医学の医師の説明に、はっと気付かされるものを感じ、熱い涙を流す。「この涙は悲しみの涙ではなく、今まで気づくことが出来なかった自分の中の自分のために日々働いてくれていたもの=細胞たちに対する感謝のそれだったのです。」
作者は続けて語ります。
「体は、自分が眠っているときにも、怒っているときにも、疲れているときにも、悲しんでいるときにも、心臓も呼吸も、一瞬も休まず働き続けてくれている。文句も言わず誠実に、ただひたすら私を生かしてくれている。私が生まれてから、何十年という歳月、休むことなく働き続けてくれているこのからだ。それなのに私は、私を生かしてくれているこの体に感謝したことなどあっただろうか」

こうして作者は、自分の中の治癒力の言葉を聞くための感性を磨き始める。毎日の生活も、こうした自分本来の生き方を模索する毎日としても汽笛がはっきりしだし、多くの患者さんたちの治癒しようとする前向きの発言、体験談などを研修する日々が始まった・・・

現在岡部さんは、自らの体験を元に今なお癌の恐怖や疾病の脅威にさらされて悩む人達に対して、日々語りかけている。西洋医学には欠落している生命の治癒力に気づいていく生き方をすることにより、新しい自分が始まるということを。


私は、ホリスティック医学の詳しいことについては全く知りませんが、一人のカウンセラーとして、こうした岡部さんのような人がもっと沢山この社会で活躍されることは大変心強いことだと感じています。
・・・病気になれば、ただお医者様任せで身も心も委ねるのではなく、自分がどうしたいのか?何を医学により解決して欲しいのか?処方される薬や治療によりどういう成果を受けたいのか?こうした意思をはっきり表明できる自分でありたいと思う。当然、医者に対しては患者としての自分と対等に相談してくれることを望むし、必要な情報交換が保証される関係でありたいと願う。

たとえ癌になっても、安心して治療を選択し自分で納得出来る生き方を歩いて行ける・・・そんな暮らしをしていきたいと再確認します。

岡部さんのバイタリティーに拍手をし、彼女が今後も元気に無理なく活動を継続されていくことを祈りたいと思う。