日本の自衛隊は安全か?

no-mu2008-11-16

昨今の田母神発言をめぐる政府答弁を吟味すると肌寒い状況が進んでいることが分かる。
航空幕僚長とは、現自衛隊の空軍の最高司令官の地位にある将官です。その人物が、あからさまに論文として「戦前の中国侵略説は濡れ衣であり、米国等の諸外国から仕掛けられたやむなき戦いであった」と述べて旧日本軍の戦争行為を正当化し、専守防衛から攻撃型軍事力の必要性を説き、核武装の必要性にも言及している。このことについて、政府はあわてて彼を解任し、定年退職という形で処分したという。しかし、6000万円と言われる退職金をつけて定年退職させる気づかいは何のためなのか?
通常ならば、そういう人物はキチンと政府の権限で処分をする必要があると思われるが、あえてお土産の退職金までつけて大事にならないうちに制服を脱がせた後始末のやり方は、あたかもトカゲのしっぽ切りと思わざるを得ない。
(参照wikipe)政府は自衛隊法46条の「隊員としてふさわしくない行為」に当たる可能性があると判断し、懲戒免職を検討したが[13]、田母神は辞職を拒否し懲戒調査にも応じる姿勢を見せなかった[14]。そのため問題の長期化を懸念した政府は、航空幕僚監部付への異動を命じて更迭処分とした[15]。この処分により定年が縮り、11月3日付けで定年退官となった。規定通り支払われる退職金6000万円について、浜田靖一防衛大臣からは自主返納を求められているが田母神は返納を拒否している

いったい田母神氏とはどういう人物であったのか?彼は1948年生まれの戦後団塊世代です。自衛隊一筋にエリートコースを昇進し、自衛隊防衛大学の好調も務めた人物であるというから戦後の自衛隊の生え抜きの育成人物であったと言えよう。ところがそういう人物の精神構造は、実はバリバリの超右派思想の持ち主であったということが判明する。今までも、政治等についての発言において過激な言動があったと言われ、それを承知でこの人物を自衛隊のトップに仕立て上げた。その責任はすべて戦後の自民党政権にあると言って良いだろう。

シビリアンコントロールがはたして機能しているのかどうか?今回の田母神騒動の中でだれしもが気になる問題だ。彼のような人物が自衛隊内で影響力を持っているとすれば、自衛隊は緊急時等の行動の中で果たして適切な活動をするのか?はたまた国民への自由を制限する暴力装置として作用する可能性のある組織に変身することはないのか?大変気になる。

戦後63年、自衛隊は文字通り軍隊としての実力を備えて国民の税金により育成されている。
どういう機能と運営がなされるのか?法律と政府により指導監視されているが、もし自衛官が好き勝手に判断して自衛隊を動かせるような発想を今後も容認させてしまうとなると、今後の自衛隊ははなはだ危険な武装装置となってしまうかもしれない。

今回の政府対応は、確かに出過ぎたくぎを制する役割を果たし方も知れないが、田母神氏の様な人物が自衛官の中に多数存在する可能性を示していることを危惧する。

改めて、平和憲法の持つ意味と軍事力を持つ必要性を吟味し、今後日本でどういう安全保障が必要なのか?を考えていく機会としたい。
軍事力の増強と軍事予算の肥大化は、国家にとっては膨大な支出の浪費であり、賢明な未来国家はこうした軍事予算を市民の為の福祉予算に転換する政治を展開するべきであると思う。
全世界において、こうした軍事費を削減する運動を進めることなしに、平和というものの現実性を実現するすべはもはや残されてはいないことを痛感する。

日本にこそ、こうした生え抜きの「平和政治家」が生まれるべきであると思うし、そうした運動を展開するための市民運動が根付いていくことを祈りたい。

きれいに刈り取られた秋の公園風景から…

綺麗な椿?が咲いていました。太陽の光を受けて妖しい魅力です。

もうすっかり秋が深まったことを知らせてくれるような樹の姿がありました。

一方、こちらはいつも緑の葉っぱが眩しくきらめいているんです。