地域の誰かが、何とかしなければ・・・?!

no-mu2009-04-30

要介護5の利用者さんの奥さんが癌による急病を患い、利用者をショートに出して入院治療し、いったんOP後に回復が見られるも4月末に病院にて亡くなりました。
そのことを既に日記で書きましたが、未だ奧さんの遺体が葬儀屋さんの安置室に置かれたままになっています。
肉親などが居られず、遺体処理の承諾が取れない間は埋葬が出来ないとの説明がありました。行きずりの身元不明人扱いで最終的には自治体の権限で埋葬がされるはずですが何ともやりきれない事情です。
利用者のケアマネとして、立ち会いをさせて貰ったり仮の承諾をさせて貰ったりする方法も提案しましたが、それでは駄目なようです。
身内が全く居られない方の埋葬には、くれぐれも気をつけて頂きたいです。

・・・それから、今日利用者の福祉用具(ベット、スロープ、車いす)を入院中のために一旦引き上げる事になり、借家のの鍵を借りて事業者と部屋に入らせて頂きました。・・・すると、すごい悪臭で室内は犬と猫たちの糞尿で一杯でした。・・・飼われていたペットが、そのままにされていたのでネコの方は開け放たれていた窓から出入りが出来てどこかに出歩いていましたが、犬の老犬は力尽きて部屋の水道近くで死んでいるのが発見されました。
レンタル担当のスタッフが大声を上げて部屋から走って出てきたので、慌てて黙らせました。「大きな声を出すんじゃないよ!近所の人達がびっくりするだろ?」
私がしかりつけたので、そのスタッフも平静になり、黙々と作業を継続して福祉用具の搬出をしました。

運び出しの仕事を終えて、区のケースワーカーに電話をし、犬の遺体引き取りの手はずをして貰うように依頼しました。・・・最初は「費用がかかるだろうし、すぐには出来ない?」などと良い返事をしなかったワーカーも、「誰も埋葬するものが居ない以上、役所の係が動いて調整するほか仕方がないでしょ?犬を来るんで運び出すのは私がするから、連絡をして手続きはあんたがやるべきだ」と強硬に主張すると、やっと渋々動いてもらえた。明日朝引き取りの手はずは出来た。・・・そこで再度利用者宅へ行き、一大決意をして、死んだ犬を袋に入れてやり入り口近くに段ボール箱に入れた。こうして、明日すぐにでも業者に引き渡しが出来る準備は整った。

しかし、今こうして今日の出来事を記載している間も、亡くなってかちんかちんになっていた犬の感触が思い出される。・・・まるで犬の干物のように固まっていたから、きっと死後かなりの時間が経っていたんだろうと思う。結構おなかがだぶだぶしていた小型犬であったが、遺体は水分が亡くなっていて生命ある生き物とは思えない感触だった。・・・そうです。もう生命はないのだからそれは単なる、かって犬と呼ばれた毛皮が生えた物でしかなかったと言うことになる。・・・もし、奧さんが居られたら丁寧に遺体を来るんで埋葬の処置をされただろう事を頭に描いて、何とか無事箱に詰めることが出来た。部屋の中は糞が一杯で掃除も出来ないけど、可愛がっておられた犬を曲がりなりにもきちんと荼毘に伏せてやれることで安堵してもらえるのではないか?と考えている。

4月の始め、入院されているときに犬のことを聞いたことがあった。その時奧さんは、「犬のことはもう諦めています」と話されていた。世話する者が居なくなれば死んでしまうだろう事を分っておられたわけです。・・・でも、死後の処置を誰がするのか?そこまでは考えが及ばなかったようです。
出来れば誰かが代わりに育ててやり、飼ってやることが出来たら良かったが、残念ながらそういう善意のある人達は見つけることが出来なかった。

もっともっと地域が、いろんな悩みを共有し合う関係を作る必要があることを痛感します。

誰がどんな病気や不幸に出会うかも知れない人生、地域で生きる者どうした困ったときの支え合う関係作りをしておくことにより、力になることが出来るはずです。
まだまだ今の日本では、今回のケースのように誰も援助する者泣く孤独になくなる人達が多いように思う。嫌々、むしろこうした孤独死が増える傾向があるのではないか?と危惧します。

今後、専門職として、こうしたケースに背中を見せるのではなく、未然にそうした孤独死を防止するための働きかけをしていく必要があることを痛感するのです。


29日、近畿地方も初夏のぽかぽか日和でしたね?こんな夏の花たちが綺麗に輝いていましたよ。