介護の分野にも”仕分けのメス”が入れられた?

先日終了した民主党政権の”目玉”仕分け作業。
連日報道されて賛否両論が展開され意見も様々分かれているが、医療や介護の分野も例外とされずに仕分けのまな板に載せられた。

とりわけ介護の分野では、居宅介護支援の研修に関わる予算が半分に削られた。今年度の予算執行が半分程度であることや、自治体によって対応がまちまちなこと、研修の個人負担も一定ではなく自治体の対応が統一されていないことなどがあげられ、内容においても問題があるとされた。
こうした指摘の上で、来年度は予算の半分に抑えることが妥当とされた。
以下にこうした仕訳に対する現場からの意見を発信してみたいと思う。

承知のように、ケアマネジャーには5年ごとの更新制が導入され、決められた研修を受けて登録更新をしなければ業務に就くことが出来ないという厳しい縛りが適用されている。・・・こうした更新制により、質的に適正な研修を積ませてケアマネジャーとしての業務のレベルを維持することが狙いとされているが、問題はその中身と費用負担です。

研修の中身を意義あるものにしていくことは、だれも反対しないが、実際の業務を担いながら何十時間も研修の為に時間を割かなければならない現場の実務者への配慮は十分なされているだろうか?
民間の事業所では、殆どが有給をとって更新研修を受けている。(社会福祉協議会や法人施設系統では、業務としての研修派遣を行っている事業所もあるというが、民間事業所との落差は大きい)
多数を占めている民間事業所のケアマネジャーに対する研修待遇は多くの場合個人にその研修義務が委ねられており、不公平ではないのか?
まして、都道府県により個人負担の費用がかなり落差がある。
主任研修で考えてみると、大阪府の場合6万円の自己負担がかかる。
今年度は、特定事業所加算の取得可能性があるので、400人以上の受講者を数えているが、前年度では殆どが社会福祉法人や病院併設事業所などの関連事業所が多く、本当に主任ケアマネのスキルを学ぶために資格を取ろうとしたケアマネジャーは少数であったと思う。・・・因みに、ある講師が「加算云々ではなく、主任ケアマネの資格を学びたくて受講している人は?」と参加者に問うたところ、全く手を挙げるものがなかったという話を聞いている。手を挙げにくかったことはあったとしても、それだけ「スキルアップとしての主任ケアマネシャー制度」は現場のケアマネには認知されていないことではなかろうか?
6万円もの自己負担をして休暇も個人で取ってまで、その研修を受けたいと願うケアマネがいない背景には、そうした制度の中身がどうなのか?問われなければならないし、費用的にも妥当なものなのか?評価される必要があると思う。
・・・噂では、主任研修でも、1万円程度で受講できる自治体があるらしい。その県では、主任ケアマネのなり手が不足しているのかもしれないがあまりにも費用負担における統一性に欠けている。これでは同じ主任ケアマネでも資格研修待遇での公平性に問題を感じる。

たとえば医師の更新性を論議されたとき、ケアマネジャーの場合のように5年ごとの更新研修にはならないのは何故か?
看護師の場合でも、そうはなっていないしそれは単に医師会の発言権が強かったからだとは言えない筈。
どう考えても、「公的資格」としてのケアマネジャーには厳しい研修が科せられ、国家資格の医療分野では更新研修の考え方が比較的緩いようにも思える。

百歩譲って、厳しく研修を課すことが意義あるとしても、職務においての重要性と専門性が伴う必要性が強調されるだけの公的支援が貧しすぎはしないだろうか?その研修負担が、殆ど個人負担とするような現状の制度には疑問を感じる。
ケアマネジャーを介護保険制度の要だと云うのなら、それ相応の制度や自治体・国による研修費用負担があって当然だと思う。
ケアマネジャーを今後どういった専門職に育てるのか?が問われている問題だと思う。単なる介護サービス調整係に留める為なら現状の改革意欲は盛り上がらないだろう。しかしそうではなくて、介護と医療を含めた人間の生活全般にわたるケアマネジメントを描く専門職として位置づけるのなら当然研修に対する国の対応ももう一度考えられるべきだと思う。
そうした、人を育てる制度設計がなされずに、幾ら専門職のレベルアップを謳ってもどこか肩筋が寒く内容が伴わない研修体系となることを危惧する。

大阪府庁によったついでに、大阪城西の丸庭園に行ってきました。火曜日のせいか広い園庭に訪れる人はまばら。・・・お弁当をベンチで食べて、秋の好天の空気と景色を満喫してきました。・・・200円の入場料でこれだけの満足感を得られるのは安いでっせ!大阪来たら、西の丸庭園にいらっしゃい。日ごろのストレスは、十分洗い流されて癒されますよ。
ベンチに止まっているこの虫は?(まるで葉っぱのようですが?)きれいな薄緑。

紅葉した樹と、空のコラボレーションがまるで耳元に広がるようです。

芝生のずーとその向こうに、お城が見える。

秋空に、何といっても一番溶け合っているのは、緑の葉っぱを広げている樹です。

昨年も噴水を撮ったのですが、やはり虹を撮影してみました。・・・噴射する水しぶきと晴れた空の緑が見事です。