近畿介護支援専門員大会での学び(第13回大会に参加して)

 まだ1日目が終わり、もう1日本日の研修を残していますが、昨日聞いた講演内容から、少し考え方を脳裏に入れておきたいと思い、記事を書くことにしました。<大会1日目>
 千人規模の大会なので、びっしりスケジュールが組まれてあり、12時半ごろから17時過ぎまで、小休止だけでプログラムがどんどん進められた。
 
 参加した立場から言えば、もう少し休憩を間に挟んでもらう方がありがたい。その理由として、トイレ休憩が必要であり、ずっと狭い椅子に座り荷物を足元などに置いたら、「学習空間」の余裕がない(窮屈な)状況で学ぶことになる。2時間までの短時間で集中する研修ならまだしも、半日過ごす場合は時間的な配慮が必要と思う。
 こうした場所で、集中して研修できる時間は、90分くらいだと思う。それが、後半部分では休憩なしで続けられた。
 …スケジュールを熟すことは分かるけど、もう少し余裕を持つプログラムにしないと、聞いている方は適わない!参加者の割合は、8割が女性なので、トイレもいっぱい!きっと膀胱が張り詰めて辛い思いをした女性が少なくなかったのでは?と推測する。・・・普通に考えれば、こうした配慮は考え付くはず。規格のときに、そうした考慮がされていないところが問題だ。

 さて、勉強する気がないのではなく、より効率的に、気持ちよく研修するために、このような大人数の研修会の企画では、どのくらいの時間配分で情報提供が適切か?しっかり検討を加えて欲しかった。
 あれもこれもと、研修項目に加えるのではなく、「これ!とあれ!」と言う形で、厳選して提供し、しっかりそのテーマに参加者が向かい合うことで、よりしっかりと参加者の心に研修成果が落とし込まれていくのでは?と考えます。

 それはそうと、1日目の講演では、何と言っても上野千鶴子さんの話が面白い!・・・先に登壇していた、厚労省の課長さん ぼろくそに手籠めにされておりました。( ^)o(^ )
いやはや、上野さんのような女子(おなご)にかかったら、諦めないとしようがない?
 何せ、ああ言えばこういう、と言う「論理」=口では負けないお人ですから。上野さんのような女性が増えれば、確かに、日本の女性の地位向上に寄与することは間違いないと思います。男社会の日本をひっくり返すような発想と啓蒙に対して、”応援団”として敬意を払いたい。?あれこれは彼女の言い回しだったっけ。
 私、別に彼女の応援隊ではないのですが、歯切れの良い話を聞いて、賛同する部分が沢山あり、いろんな感性を教えて戴けたと思う。
 彼女のように、自由に発言できる人が、どんどん発言機会が与えられたら、もう少し自由な発想が日本社会の中で増えるだろうと期待する。まだまだ、日本社会は女性に対して旧態依然の社会ですからね。
 ある意味では、上野さんのような考え方は未だ社会の少数派であり、そこまで自分の意見が表明できない「従順派」の人達が多数を占めている。いわば、くすぶっている意識を、ググッと掘り起こすような役割が、上野さんにはあるような気がするんです。

 それから、白澤教授の話も興味深かった。
昨日の話で重要だと思ったのは、ケアマネジャーの今後の課題として重要なポイントになってくる、と指摘されていたことが一つあった。
それは、「ケアマネがサービスを調整して、それぞれのケースに支援計画を組み込むことは続ける必要がありそれは当然のことだ。しかし、サービスに結び付けたら其れで良いのか?…(福祉用具訪問介護の単品サービスだけで組まれているケアプランがかなりのケアプランを閉めていることはご承知のことだろうが)実は、提供される社会資源にプラスミックスして、その人の意欲や意思、今後こうしたいという意向を反映させ見守り検証することの重要性が語られる必要がある。そのことを強調されていた。
 つまり、最大の社会資源は、介護保険のフォーマルサービス等にリストアップされているサービスの中にあるのではないこと、利用者や家族の中にあることに気付いていくことが重要であり、そうした各個人の力をどう引き出し育てるか?支えるか?が最大のケアマネジャーのテーマではないか?!
 このように白澤さんが語っておられた。

 ストレングスと言う考え方は、すでにいろんな研修機会で学ばせて頂いているが、今日のコメントは改めて、「自助」と言う最も身近で忘れがちな部分における社会資源の活用について、どう向かい合ってゆくべきなのか?考えさせる良い機会となった。
 インフォーマルな社会資源があれば、フォーマルな資源に変えることが出来るというよりも、フォーマルな資源では達成できない部分でのその人の生きがいを確かなものにするためには、外からの支援だけでは不十分であること、その人自らの意思と力が発揮される必要があることを学びたいと思う。

 「いくらその人の力を引き出そうとしても、その人がその気にならないとどうしようもない・・・」そう呟いてしまうかもしれない。
 しかし、だからこそ、どうやったら本気になるのか?どういう方法で自分と向き合い、その気力を生かしていけるのか?について本気で向かい合うことが出来るのではなかろうか?
 前向きの方策をそれぞれが見つけ、それぞれの個性を持った生きる術を身に着けることが出来るようになることで、その人らしさが確立されていく。
 
 昨日の講演を聞いて、改めて自分たちがこれから行っていくケアマネジメントの中での利用者当人のエンパワメントの重要性、自己決定の力について思いを馳せることが出来、研修に参加して良かったと思う。

 さあ、今日は、事例発表を沢山聞いてきます。・・・粗製濫造の観があるけど、私見としては、もう少しじっくりと事例検討できるスケジュールを企画して頂きたいと思う。そうでないと、事例を深めることに繋がらないからです。
 数ではなく、その質が求められていることに同意いただけるなら、研修企画においても、その方法やスケジュールにおいて、改善をしていって戴きたいと思うのは、わたしだけではあるまい…