谷川さんの、「急ぐ」という詩を読んで思うこと

一寸、谷川さんの詩を、掲載してみます。・・・                                       こんなに急いでいいのだろうか

田植えする人々の上を

時速2百キロで通りすぎ

私には彼らの手が見えない

心を思いやる暇がない

この速度は早すぎて間が抜けている

苦しみも怒りも不公平も絶望も

すべて流れてゆく風景

こんなに急いでいいのだろうか

私の体は速達小包

私の心は消印された切手

しかもなお間にあわない

急いでも急いでも間にあわない



           谷川俊太郎  「急ぐ」







この詩は、 hiromidhiさんのホームページ

の中で、取り上げられている詩ですが、私も、今回、ずいぶんこの詩に考えさせられます。

現代人が、失いかけているものを、ずばり、的を射られている思いがします。





あえて、作者には断り無く掲載させて頂いたのですが、谷川さんも、今こそ、多くの人にこの詩を投げかけたいことだろうと思うのです。奪われた100名以上の命と、多くの傷を負った人々の痛みに、我々も他人事だとは思えないのです。

もちろん、責任当事者たる、JR西当局の責任追及は必要であると思いますし、好い加減な事故隠しで今回の事故を終わらせてはいけないが、

私たちも、この事件をきっかけに、もう一度、自分たちの、時代について、真剣に考えてゆきたいと思います。