最高潮の、北京オリンピック。

no-mu2008-08-23

いよいよ盛り上がってきた、北京五輪、先ほどの実況では、昨日の女子ソフト優勝に続いて今度は男子400mの80年ぶりのメダル獲得(3位)が伝えられている。
アメリカやイギリスなど強豪国が、軒並みバトンプレーで失敗して脱落する中で、日本はリレーの総合力技術で真価を発揮し、4人の走者が持てる力を120%発揮して見事銅メダル獲得となった。これは快挙ですね。何時までも3位という結果に対する喜びを爆発させてトラックを並んで声援にこたえている姿は、応援していた多くの人達と嬉しさを共有している光景でした。
・・・こうした達成感を実際に味わっている選手と、テレビで見ている我々とは次元が違うかもしれないが、この男子リレーの快挙で共に喜びを分かち合えた人たちも多かったと思う。
昨日は、ソフトボールで、宿敵アメリカに見事勝ち抜き頂点に立った試合については、もう下手な評価は必要ないかもしれません。
・・・運もあったかもしれないが、よく勝てたものだと思う。それまで、アメリカには1勝5敗で、とても敵わなかった相手。まともに力を勝ちあわせたら、おそらく勝ち目はなかったと思われるが、上野が良く投げたことと、これまで得点を許さなかったアメリカのオスターマン投手を、上手く打ち崩した好打も称賛に値すると思う。
もう一度やれば、おそらく勝てない相手だったろうが、こうした最後の1戦で勝利をもぎ取れたところが、スポーツゲームの面白いところです。

しかし野球はやばい。星野さん率いる男子野球の方は、韓国に2度もしてやられ、キューバアメリカにもまさかの敗北を重ね、銅メダルさえも危うい。プロ選手をずらっと並べて、どこから見ても負けはしない!と豪語していたメンバーたちが、まさかと言う様な苦戦を強いられ、日本での実力が十分引き出せぬままに敗北を重ねている。
運がなかったということもあるかもしれないが、相手に負ける理由はきっと多々あるだろう。問題は、プロから選ばれた花形選手としてはたして万全の対策がなされていたのか?油断はなかったのか?等々いろいろあると思う。・・・プロ野球の高額所得を得ている選手たちが、日本という国家に要請されて金メダルを取るために召集され戦わねばならなかった戦いの様にも見えはしまいか?彼らは、金メダルを取って当たり前であり、失敗が許されないプレッシャーを重く背中にしょってこのオリンピックに臨んだと思われる。そんな堅さがあったからこそ、よもやと思えるような試合を重ねてきたのではなかろうか?

もっとリラックスをして、それこそ楽しみながらプレーが出来れば、むしろ彼らの潜在能力が十分に発揮できたと言えるかも知れないが、そんな試合環境は始めから用意されてはいなかった。案の定、苦い敗戦を繰り返してどんどん苦しい立場に追い込まれ、一方の相手チームはどんどん強敵に成長して日本チームの前に立塞がった。
打たれた岩瀬や、踏ん張れないダルビッシュを責めてもしようがないだろう。むしろ問題は、相手ピッチャーを打ち崩せない打撃不振に、今回の日本チーム敗戦の原因があると思う。

明日の3位決定戦がどうなるのか?分からないが、最悪メダルも持ち帰れない結果も十分予想される。そうなれば、北京から帰ってくる選手たちのモチベーションは最悪の結果となるだろう。もちろん、ペナントレースへの影響も大きいだろう。・・・こんな事になろうとは、星野さん達今回のチームの首脳陣だけではなく誰もが予想しない結果となった。
かたや80年ぶりの男子リレーの銅メダル獲得に涙する人達がいるが、一方では悔しい涙で曇ってしまう銅メダルがそこにある。同じ銅メダルでも、その重みはまるで異なる。・・・そう云えば、レスリングの選手で準決勝の判定結果に怒り、表彰式で得た銅メダルを受け取ってすぐマットに置き去って去っていった選手がいたことを思い出す。・・・彼の行為は、大会実行委員会からメダルはく奪の裁定を下されることとなるが、本人が既にいらないと言っているからには、剥奪決定には何の意味もなくむしろ制裁的な側面を持つだけのことだろう。彼の行為を誰も称賛することはないだろうが、冷静に抗議をしている内容を精査して、適切な説明を伝えていく努力もオリンピック委員会にお願いしたいものです。
彼の行為は、決してほめられる行為ではなく、判定に対する不服があってもいったん決定したことについての受け入れる気持ちは選手として必要であることを学ばなければならない。これは彼自身のテーマであると同時に、オリンピック精神として、誰もが今後忘れてはならない心構えであろうと思う。