早朝散策フォト日記

桜井・藤原京編。
早朝4時前に目が覚める。
夜中に帰宅した息子が寝静まるのを待って、「今度は私の出番です」とばかりに起きだしてしまった。

・・・しかし、まだ真っ暗。家人を起こさぬようトイレ・身支度を済ませ、いざ出陣。カメラと免許証を確認。
自転車にしようか車にしようか?迷ったが、久しぶりに車で出かけることにする。
外に出ると、まだ真いだけじゃなく寒い。これはやばい。でも、ヤッケの下にマフラーを着けていたのが正解。辛抱出来ない寒さじゃない。
走り出した車のフロントがくもる。ファンを回して曇りよけをしてもすぐに効かないので、窓を少し開け、とばさないように走る。
交差点等で、暴走する車があっても避けられるよう、ゆっくりと安全確認しながら目的地へ。ラジオからは、早朝の文学談議「ドフトエフスキー」の罪と罰カラマーゾフの兄弟に関連する解説と挿話が淡々と語られている・・・どこの教授なのか?分からないが、相当読み込んでおられることが伝わってくる。まだ薄暗い山手の農道をライトを照らしながら走り続け、重苦しいまでの人間の表裏が剥がされていくようなイメージが自分を包んでいく。

やがて車は、桜井の香具山にある「昆虫館」近くの駐車場へ到着。
館の街灯と、自動販売機から漏れてくる光以外、漏れてくる明りが無い。
もし、車もなくこの場所まで徒歩出来たとすれば、男だって薄気味悪ーい山の中だ。

しかし、車から出て空を見上げて見ると、そこには夜空の秋の星座達が両手一杯に散らばり輝いていた!
「おお、すごい」思わず驚きの声をあげている自分がいた。オリオン座がありその西側に小さな星たちが密集して点滅している星群がある。名前は忘れてしまったが、5つ以上の星が見えた。
・・・夜空の星を撮影しようとトライしたが、駄目だった。
私のカメラテクニックでは、星が撮れませんでした。・・・撮ったモニターを確認すると、真っ黒のまま!
撮影をするのを諦めて欲しを観ることに集中する。
南東側には北斗七星がありそこからたどって北極星もすぐ分かった。星を眺めていると、確かに飽きる事がないが、どのくらい眺めていただろう?だんだん寒くなってきたので、近くにある販売機でホットコーヒーミルクを買いゆっくり飲んだ。冷え込みを防止するため社内に入り、シートを倒して少し横になる。エンジンを止めるとやはり寒くなり、眠ることが出来なかった。しばらくしてもう一度外に出る。
先程の星たちの位置が、少し西寄りに動いていることが分かる。まだ夜は明けない。少し体を動かし、屈伸運動などをしながら星を眺め秋の虫たちの鳴き声を耳にしながら、ひたすら夜空のあける推移を見守る。「おお、鶏が遠くで鳴いている」昔はよく聞いた、元気な雄鶏の鳴き声だ。きっと夜明けが近い。

東の山手が、薄らと明るみが出てきて、空の雲が見え出してきている。それとともに東手にあった星たちが、一斉に視界から遠ざかっていく。
真っ暗の空にブルーがかった色合いが見えてくる。「よし、もう少しで夜明けだ」あたりがしらけて、森の樹木たちがはっきりと見えてきた。鳥のさえずりも聞こえる。散歩で犬を連れて歩いてきた人と会う。挨拶を交わす。でもなかなか日の出がやってこない。「寒い!」

たまらず、車内に入り、車を動かす。・・・東に小高い山があるので、朝日はここからは見えずらい、もっと良い位置に移ろう、そう考えて走りだす。山を降りて、どんどん走る。平地の見晴らしの良い藤原京跡まで来た。「コスモス」の花が密集して植えられている絶好の場所があった。
急いで車を止めカメラの入ったカバンを抱えて農道を歩く。
前方から歩いてきた、おじさんが「お早う御座います」と声かけして話しかけてくる。「どこからおいでなさった?」「近くの大和八木」からですよ、と答えて、それからコスモスの話ススキの話と一通り話が出て、「花はやっぱり10時ごろが見頃じゃよ」と教えて下さる。
近所の住人らしくよく知っておられる。

畑道を中に入ってどんどん歩き、コスモス園の中に来た。あたり一面何万本のこすもすなのか?ピンク色の畑と、ホワイトイエローの畑があった。
これは壮観だ。

夢中でシャッターを押していると、遠くから男たちが叫んでいる。「おおい、おおい、・・・」どうやら、私に対して呼びかけているようだ。手を上から横に振っている。
彼らが何を言いたいのかすぐに分かった。・・・写真撮影をするからどいてくれ、と言っている。彼らも山から朝日が出る瞬間を取ろうと待ち構えており、ちょうど日の出までのコスモス畑の途中に私が映っているわけだ。
どこにいようが私の勝手だろう?とも思うが、彼らの思いを受け、すぐに移動をするためその場所を離れた。

 替わりに「ススキの円い円座」のような死角があったので、その裏に身を置いて朝日を取ることにした。・・・なかなか良い場所だ。


ちょうど日の出が始まった。
みごとに山愛から太陽が顔を出す瞬間が撮れた。夢中でシャッターを何枚も撮った。満足。

今日は天候にも恵まれ、撮影には絶好の輝く朝日が登る姿が見えた。

日の出時間は6時45分くらいだったと思う。
朝早く出かけて、貴重な大地のドラマを目の当たりにすることが出来心満たされる時間を過ごすことが出来た。