春からの介護報酬改定に笑顔無し。

no-mu2009-02-25

厚生労働省による、4月からの改訂の告示が出た。・・・膨大な資料で、例のお役所長の文章なので、極めて読み取りにくい説明だ。
法律の何条何項によりどうのこうの・・・と説明されるので、手元にその資料がなければよく理解できない。その資料を手元に置くのに時間がかかり、いちいち引用条項に目を通すわけにもいかない。説明展開の根拠とされる内容が、おおよそ一般的にはわかりにくい文章で説明してあるので、趣旨を理解するには相当の熟練解読家でないと、そこで言われていることが分からない。まして、それを利用者に説明など出来やしない。
だいたいお役所が説明義務ありなのに、こんな難しい分かりづらい文章で理解しろと言うのも極めて乱暴ではないか?

毎回改訂時期になると、頭の痛い話であるが、もし厚生労働省が少しでも法律改正を人々に説明する誠意があるなら、もっとまともな説明文を一般向けに作り直す必要がある。
ところが、こういうまともな説明をいつまで経っても行おうとしないのです。

今、介護現場の責任者たちは必死で告示の内容を読みながら4月からの改正対応に迫られている。
果たして、自分の職種において今までよりも利益を上げる事業展開が保証されているのかどうか?が彼らの最大の関心事だ。このことがプラスとして証明されて初めて、介護労働者の待遇改善の余地がある、と彼ら事業者たちは考えている。政府は3%アップした内容だと言うが、実際の上げ幅はどうか?居宅では1、7%のアップしか見込まれず、施設では1、3%だ。
多くの加算が新設されたが、こうした加算分を寄せ集めても全体としては僅かな収益アップであり、逆にその加算のために今まではなかった人件費や他の経費・ソフトのバージョンアップをしなければならない。こうして予測してみると、今度の改正が果たして事業収益アップに繋がるのかどうかすら問題があると思う。
そうなると、改正の根本テーマである介護労働者の待遇改善というものがますます遠のく。
実際、4月以降に賃金を引き上げる交渉を成功させた企業が未だ全く出ていないばかりか、昨今の非正規労働者の大量失業により、明るくない材料ばかりが目につく現状がある。

はっきり言って、今度の4月介護報酬改定は、失敗に終わっている。これからもっと失望の声が上がることは間違いない。
なぜならば、この改正が、介護労働者の待遇を改善する役割を果たさないからです。
2000年の介護保険発足以来、2回にわたって介護報酬は下げ続けられた。その下げ幅が少し揺り戻されたことは事実としても、介護事業所に働く介護労働者の待遇を改善するきっかけにもならない。
通常の労働者平均と比べて、約10万円以上の月額格差があり、年にすれば、100万円から200万の格差が出来上がってしまっている。これは誰もが認める事実でしょう。

この現状を、本来ならば今度の改正により縮めるチャンスがあったのにもかかわらず、官僚たちは複雑な新規加算をしこたま増やしてベースとなる基本単価を据え置くことに決めてしまった。・・・果たしてこれを「改正」と呼べるだろうか?余程お人好しでない限り、改正などとは言えない。

今回の「告示」を読んで、希望を抱く人は皆無であろう。複雑怪奇に変更される介護報酬を憂う。これでは、未来の超高齢化社会にますます不安材料が増大したことになる。
まさに、断腸の思いで今度の改正案を解釈すべく、苦々しい告示文章を紐解いている毎日です。

出るのは、ため息ばかりですが、これでは健康に悪い!?

大阪の下町の茂みにいた野良猫ちゃんです。・・・食べ物をもらえるのか?と思って近づいてきたので、ぱちりと撮らせてもらいました。結構かわいい顔してるでしょ?
彼ら猫の世界では、介護保険もなく、年老いてしまえば、病気やけがが元で死が訪れてくるだけ・・・猫は犬に比べてかなり短命なんですよね?


今日は昼から雨がやんだので、なみはや大橋を自転車で通りました。・・・かなりの上り坂がありますが、上からの眺めは最高。晴れていたらもっと青空が見えるのになぁ!